《教室寸景》(中2・国語)「百人一首を紹介しよう」

 今年度3学期の中学2年・国語では、百人一首を紹介するワークを行っています。ビブリオバトル(*)という、本を紹介するコミュニケーションゲームを参考にして、百人一首の和歌を紹介するワークに仕立てました。

 生徒は、自分が担当する一首について、作者や内容や作歌状況を事前に調べます。授業では45人一組となり、調べてきたことのスピーチと、質疑応答とを繰り返し、なぜその和歌が良い歌とされてきたのかを考えます。最後に一番良いと思った和歌を相互投票で選びました。

 ワークを通して気づいたことについて、生徒が書いたコメントの一部をご紹介します。

【和歌の内容について気づいたこと】

  • 「足引の山鳥」という始まりだから、最初は自然や季節について書いた歌だと思っていたら、恋愛について書いていた歌であると知って、驚きました。言葉一つ一つの意味を深く知るからこそ味わえる歌だと気づき、他にも調べれば調べるほど、作者の細かいこだわりに気づくことができると思いました。
  • 今回の百人一首に、いくつか掛詞があり、それについて少し考え、自分も何か作ろうと思ったのですが掛詞を思いつくのは難しいなと思いました。
  • 私が調べた和歌では、心の心情をネックレスで例えているのですが、出来事や、物事をまた違うもので例えているところが素敵だなと思いました。
  • 「花の色は」の和歌について「ながめせし間に」というところがなんとなく頭に残っていて、ながめているあいだに何かあったのかなと思いました。
  • 「花の色は」の花は桜のことで、「人はいさ」の花は梅のことで、同じ花なのに違っていて面白いと思いました。「花の色は」の歌の“ながめせし“は眺めという意味と長雨という意味があると聞いて驚きました

【良いスピーチや質問をするために心がけたこと】

  • 相手の目を見てうなずいたり、知らなかったこととかも興味を持っていったりしたいなと思いました。興味を持った和歌について調べてみたいです。
  • あらかじめ第三者に見てもらうと、聞き手の視点からも感じることがあると思うので、今度やってみようと思います。
  • 難しい話をすると、相手がつまらなくなってしまうので誰にでも分かりやすく出来るように作ろうと思いました。
  • iPadにメモするのではなく、紙にメモしてきた方が相手の顔を見たり、声が聞こえやすくなったりするのかなと思いました。一人だけ紙に書いていたので気付きました。
  • 感情を込めて(気持ちを込めて)「この歌が好きだよ」と伝えることが大事だと思いました。

 生徒たちは、それぞれの和歌の言葉と出会い、その意味を知り、古の歌人たちの心に触れたようでした。「恋歌はよく分からないよ」とつぶやいている生徒もいましたが、いつの日か「物や思ふ」と尋ねられるような日が来るかもしれません。その時に、今回学んだ和歌のかけらが、みなさんの心を励ましたりなぐさめたりしてくれることを願っています。 

(*)知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト(https://www.bibliobattle.jp/home )

一覧に戻る
PAGETOP