学園長挨拶

聖ドミニコ学園 学園長 宮城 千鶴子
聖ドミニコ学園
学園長 宮城 千鶴子

名前を呼ぶこと

毎朝、幼稚園で子どもたちとかわす朝の挨拶「マリア様おはようございます」「学園長先生おはようございます」は、子どもたちとかわす大切なコミュニケーションの場になっています。普通、スクールバスを利用して登園してくる子どもたちは、玄関の前に来ると、先を争うようにして挨拶をしてくれる子、あるいはグループで挨拶したくない子は、皆の挨拶が終わるのを待ってから、一人でしっかり挨拶してくれる子など、子どもたちはそれぞれの気持ちを込めて挨拶をしてくれています。その時、子どもたちの顔をしっかり見ながら返事を返すようにしていました。ところが元気に挨拶してくれる子どもたちの中に、他の子たちとはちょっと違った行動をする子がいることに、ふっと気が付きました。

その子はいつもグループの中で挨拶しているのですが、必ず私の目の前に立ち、しっかりと目と目を合わせて挨拶する子でした。しかし、気が付いてみると、その子は何度も挨拶を繰り返していたのです。他のグループの子に、もみくちゃにされながらも私の目の前に来て挨拶をしているのです。その状態がずっと続いていることから、ある日、何回挨拶を繰り返しているかを数えてみました。その日は朝4回、降園時には3回でした。とても不思議に思っていました。

そんな時、ふと、ヨハネ福音書に書かれている「羊飼いのたとえ話」を思い出しました。イエスはご自分を良い羊飼いにたとえて話されました。『羊たち(私たちのことですね)は良い羊飼いの声を聞き分け、羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出し、羊を門から引き出すと、先頭に立っていく。羊は羊飼いの声を知っているので、ついていく。』このように、イエスは羊である私たちを導くために、一人ひとり私たちの名前を呼んでくださっているのですね。

このことに納得した私は、早速次の日の朝、「おはようございます。○○ちゃん」としっかりと名前を言って挨拶をしました。すると、その日の挨拶は一回で満足し、帰りも同じように名前を言ってあげると一回だけで安心したように、バスのグループのお友達と帰って行きました。それからの挨拶は一回で終わりになり、何回も挨拶してくれていたその子の挨拶を何回も聞けなくなったことは寂しく思っています。でもこの子は私に、しっかり一人一人「○○ちゃん」と名前を呼んであげることの大切さを教えてくれました。感謝です。

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