「女子教育」前編 石川一郎

今回は女子教育について、お話します。
女学校から始まる女子教育において、まず重視された考えは、「良妻賢母」です。外で働く男子、「家」を守り「子供」を育てる。学校で学ぶことは、家事であり、「子供」を育てるための「教養」でした。
「良妻賢母」とともに「女性の社会進出」という考え方もあります。これは女性も働き、男性の仕事を助けていくということでした。こんな考え方で商業系や実業系の女学校も誕生しました。
この二つの考え方は長く続き、戦後もしばらく続いていったと思います。
そして、時代は大きく動いていきます。1985年に男女雇用機会均等法が制定されました。この前後から女性が大学進学や就職をすることは珍しいことではなくなっていったと思います。
女子校もそれに伴って教育の装いが大きく変化し、大学進学を前面に打ち出して受験対策に力をいれる学校が誕生していきます。
この流れに加えて就職にも有利になる教育を、とのことでキャリア教育に力をいれる学校も増えてきました。「なりたい自分になれる」とか「夢の実現」といったキャッチフレーズが女子校の広報でよく見かけるようになりました。
「自己実現」が2000年前後には大きな価値観としてあったと思います。
さて、21世紀に入り、数年間が過ぎるとこの流れに?という疑問符がつく出来事が起きます。
リーマンショックであり東日本大震災です。
これを機に子供たちには大きな価値観の変化が生まれてくるのです。
次回に続く。。。
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