2020年10月05日
国語(中2)
古文『平家物語』の「敦盛最期」を、グループで5分間の朗読劇にしました。文章はすべて古文のままで朗読します。事前指導としては簡単なあらすじのみ説明して、具体的な状況や心情は説明せず、生徒たちが繰り返し音読しながら内容を想像していきました。読解力、想像力、創造力、表現力、話し合いの力を伸ばすことを目的として、古文劇の創作に取り組んでいます。今年は、飛沫防止シールドを使用し、ソーシャルディスタンスにも留意して、練習や発表を行いました。
今回の活動のテーマは「登場人物の心情を表現しよう」でした。若武者を殺したくないという直実の葛藤、平家の武将として誇り高くあろうとする敦盛、二人に寄り添うナレーター。生徒たちは、心情を伝えるための読み方を練習し、小道具・衣装・スライドなどを用いて、心情を分かりやすく伝えるための工夫もしていました。「正確性、聞こえやすさ、表現力、協力性」の観点から、相互評価も行いました。
昨年は『竹取物語』から「かぐや姫の昇天」の場面を古文劇として上演する活動を行いました。昨年も創意工夫を凝らした発表でしたが、今年は「心情」をテーマにしたことで、生徒たちは、より深いレベルでの読解と表現を実現しようとしていました。
生徒たちの発表後の感想レポートからは、「殺したく無いけど殺さないといけない複雑な気持ちに共感しました」「熊谷の心情を読み取っていると、この時代の人々の感性は私たちと違うわけではないと納得させられました」「敦盛の、首を取られるシーンで悔しいけど仕方ないと言う気持ちを込めて、とくとく首を取れと言いました」というように、古文の登場人物の心情を、自分事として想像したことが分かりました。