11月 園長ブログ

 七五三のお祝いを学園の聖堂で執り行いました。神父様がお祈りと祝福をしてくださり、対話の時間を作ってくださったことで、七五三のお祝いの意味を知り、宇宙のすべてのことが繋がっているというお話に子どもたちは大きな関心を持ったようです。繋がりの中で自分たちが元気に成長できていることは周りの人から支えていただいているおかげだと改めて感謝することができました。
 七五三をお祝いすることにはいくつか理由があります。現代に比べて子どもの死亡率が高かった昔は、「七歳までは神のうち(神の子)」として、7歳を過ぎるまで子どもが無事に育つことは大きな喜びであり、親として健やかな成長を願わずにはいられないものでした。  
 また、「3歳で言葉を理解し、5歳で知恵がつき、7歳で乳歯が生え替わる」という節目の歳として祝う意味もあります。日本では“三つ子の魂百まで”という言葉もあるように、身体的にも精神的にも大きな成長の段階を積み重ねる幼児期に吸収できたものが、後の成長や人生の基になる大切な時期であります。
 
 アメリカで行われた『Perry Preschool Project』という研究結果では就学前の教育を受けた子どもは、そうでない子どもに比べ学習面では将来的に差が出なかったものの、生きる力に繋がる『否認知的能力』が高く、人生を豊かに過ごせる割合が高いという結果が認められました。『否認知的能力』とはIQとして数字で表せられる学習能力と違い、例えば自制心や粘り強さ、気概、コミュニケーション能力などといった体験を通して積み重ねていく心の成長とも言えるものです。これらの有益な能力は、一般知能とはほとんど関係のないものかもしれませんが、心の育ちに繋がる環境を幼児期に作ることの大切さがわかります。

  幼稚園時代の子どもは環境を吸収して育ちます。成長していく中で、環境に合わせて思考と選択ができ、更には環境を作っていけるような力がついていきますが、その土台の出来る時期はあっという間に過ぎてしまいます。子どもは神様に無条件に愛される存在です。そして無限の可能性を秘めています。子ども自身が認められていることを実感し、愛情を受けることの幸せを感じながら、周りの人と関わることで多くの刺激を受けてもらいたいと願っています。

 

 

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