寄り添う心

3月となり2022年度も終わりを迎えています。2019年から新型コロナウイルス感染による大きな社会環境の変化が起こり、わたしたち学園生活にも大きな影響を及ぼしました。ようやく3年ぶりに通常通りとはいかないものの、宿泊も含めた行事を行うことができました。来年は5月から、新型コロナウイルス感染症は2類から5類に移行、名称も「コロナウイルス感染症2019」が変更になるようです。コロナ前の教育環境を取り戻せることはうれしいできごとです。

ただ、コロナウイルスはまだ無くなったわけではなく、基礎疾患をお持ちの方の心配は続いています。今後、その方々にも寄り添う政策が行われることを望みます。聖ドミニコ学園でも心配されている方々に寄り添いながら、進めてまいりたいと思っています。

 

さて、2月6日、トルコ南部でM7.8の大きな地震がありました。これまでにトルコと隣の国のシリア、合わせて5万人以上の方が亡くなっています。すぐに多くの国が救助隊を送ったり、支援物資を運んだりしました。現在は捜索救助活動も終わり、緊急人道支援が行われています。そんな中、シリアでは政府と反政府グループでの戦いが10年以上も続いているため、反政府グループへ支援物資が届かないという問題も起きています。今は緊急事態ですから、何が優先されるかをよく考え、対話し、同じ国民同士協力していかなければならないと思います。大切な家族や住む場所を失った人たちの苦しみや悲しみに寄り添ってほしいと願います。

 

キリスト教で最も重要な祭日が、イエス様の復活を記念する「復活祭」です。今年は4月9日に当たりますが、その準備期間は、イエス様が荒れ野で40日間断食をしたことに由来している「四旬節」(40日の期間)です。「四旬節」は「灰の水曜日」から始まり、その期間には控えめな生活をこころがけます。そして神様に背いている自分の罪を認めて再び信仰に心を向け、今までの自身の生活を振り返ります。現在ではこの「灰の水曜日」には、完全に食事を断つというよりも、十分な食事を控えるようになっています。小学校では前日のお弁当の日に「おにぎり献金」を行いました。みなさま、ご協力ありがとうございました。

おにぎり献金は2002年に児童会が全校児童に呼びかけ、クリスマス献金の一環として行ったのが始まりです。小学校の11月の生活目標「人類愛」に基づき、世界の恵まれない子ども、特に飢餓に苦しむ子どもが多くいる現実に、子どもたちが目を向けられるように。また12月生活目標「分かち合う心」に基づき、自分が与えられている恵みに気づき、その恵みの一部を削って、困っている人に手を差し伸べられることを理解してほしいという思いからです。今では学期ごとに1回行い、子どもたちもメッセージを書いて、思いや祈りも一緒に献金に込めています。子どもたちやみなさまの温かく、心のこもった今回の献金をトルコ地震の災害への寄付に使わせていただきます。

「四旬節」では、もう一度自分自身を振り返り、人類のためにご自身の命をささげられたイエス様に倣って、自らの痛みを伴った活動をとおして、今苦しんでいる人、困っている人の心に寄り添ってほしいと願っています。

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