美しい心

 5月の生活目標は「美しい心」です。
 「美しい心」と一概に言っても、人によって様々なイメージが湧くでしょう。清らかな心、きれいな心、正しい心。言葉ではたくさん出ても、そのような心を持つ人物像はあまり心当たりがありません。美しい心を持つ人と言えば、だれを思い浮かべるでしょう。カトリック学校で学んでいるわたしたちは、すぐにイエス様やマリア様を想像する人が多いのではないでしょうか。ただイエス様は神様でもあるので、人であることに限定すれば、マリア様と答える人が多いかもしれません。
 では、マリア様の心はどのような心だったでしょう。

 聖歌の中に、「マリア様の心」という歌があります。 

  1. マリア様の心それは青空 わたしたちをつつむ広い青空
  2. マリア様の心それは樫の木 わたしたちを守る強い樫の木
  3. マリア様の心それはうぐいす わたしたちと歌う森のうぐいす
  4. マリア様の心それは山ゆり わたしたちも欲しい白い山ゆり
  5. マリア様の心それはサファイア わたしたちを飾る光サファイア

 つまり「青空」「樫の木」「うぐいす」「山ゆり」「サファイア」はマリア様の心に置き換えることができます。わたしたちをつつむ広い心、わたしたちを守る強い心、わたしたちと一緒に楽しく歌ってくれる優しい心でしょう。山ゆり、「ゆり」の花言葉は「純粋」「無垢」です。まさにマリア様にふさわしい花です。マリア様に大天使ガブリエルが、イエス様を身ごもることを伝える「受胎告知」の絵画は多くの画家が描いていますが、ゆりの花が描かれていることが多いです。中には大天使ガブリエルがゆりの花を手に持ち、マリア様に差し出している者もあります。聖ドミニコ学園でも、マリア祭では献花として、ゆりの花をお捧げしています。
 山ゆりの心とは、白く、汚れのない純粋な心ということになるでしょう。そして「サファイア」の場合、わたしたちを飾る「心」とすると、少し意味が分かりにくい気がします。飾りは豊かさ、余裕がないと装飾品を持てないでしょうから、豊かな心と言うことはできますが、少し違和感があります。調べてみますと、サファイアは青色をしているので、マリア様のイメージカラーが青であることと、当時はサファイアには触れれば凶事を退け、身につければ疫病が治り、病気をしなくなると信じられていたようです。そのように聞くと、マリア様のイメージに近い宝石だと思います。
 マリア様の心の歌を歌うことで、子どもたちは、正しい心や美しい心とはどのような心なのかを学んでいます。マリア様のように優しく広い心で人を赦すことができたらいいなとか、友達が困っていたら、勇気を出して助けてあげようとか、自分の行動や言動の際に指針となる美しい心のお手本がマリア様の心なのです。
 さて、5月はマリア様の月、聖ドミニコ学園小学校では、526()にマリア祭を行います。マリア祭に向けて、これから児童たちがそれぞれ自分の目標やマリア様との約束を考え、毎日実行していきます。その記録を霊的花束として積み重ね、マリア様に捧げます。子どもたちがマリア様のように、美しい心が毎日の生活の中にあらわれてくることでしょう。わたしたち大人もよいお手本となることができますように。

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