灰の水曜日

 復活祭(イースター)はイエス様の復活を記念する、キリスト教の最も重要な祭日で、今年は417日になります。その復活祭前の準備期間に控えめな生活をこころがけ、神様に背いている自分の罪を認めて再び信仰に心を向け、今までの自身の生活をふり返ります。この期間を四旬節と呼びます。四旬節は「40日の期間」という意味でイエス様が荒れ野で40日間断食をしたことに由来しています。それに倣って40日の断食という習慣が生まれました。けれども実際には、復活祭の46日前の水曜日(灰の水曜日)から四旬節が始まります。今年の「灰の水曜日」は32日にあたります。断食については、現在では完全に食事を断つというよりも、十分な食事をひかえるようになっています。小学校ではその日におにぎり献金を行います。子どもたちには、その日のお弁当はおかずを我慢して、その分をお金に換算して献金をしています。「灰の水曜日」のおにぎり献金で、もう一度自分自身を振り返り、人類のためにご自身の命をささげられたイエス様に倣って、自らの痛みを伴った活動をとおして、今苦しんでいる人、困っている人の心に寄り添ってほしいと願っています。
 また灰の水曜日、教会では回心のしるしとして頭か額に灰をかける「灰の式」という典礼があります。

 主なる神は土のちりで人を造り命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。(創世記2-7

 人は土から作られ、そして短い人生を終えると土にかえります。四旬節は、はかない人生を終える前に自分の心がどこに向かっているのか、神様に向かっているのかを振り返る期間です。そして自らの罪を悔い改めて、イエス様の教えに立ち返るように、自分中心の心から神様と人々に向かう心への転換を求められています。

神はまた言われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、地のすべての這うものとを治めさせよう」。神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。(創世記1-26

 神様はご自身の姿に似せて人をお造りになられました。このことからもいかに神様が人間を愛しておられるかが分かります。一人ひとりは神様から祝福をいただいたかけがえのない存在です。自分も大切ですが、自分以外の人も、どの人も大切な存在です。 現在、残念な事にロシアがウクライナ侵攻を開始しました。まさか戦争になるとは思いも寄りませんでしたが、いとも簡単に始まったことに、恐怖と悲しみ、不安、怒り、そして今まで感じたことのないような複雑な気持ちで、違和感を覚えます。人の命が軽く扱われ、人の尊厳が踏みにじられています。もうすでに街が破壊され、多くの人が亡くなっています。人は神様から与えられたかけがえのない存在です。戦争のない世界にするためにはどうしたらいいのか、子どもたちと一緒に考えていきたいと思います。

 参考:カトリック中央協議会ホームページ

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