感謝する心

 新年あけましておめでとうございます。今年も子供たちからたくさんの年賀状が届きました。そこには、「聖堂朝礼のお話ありがとうございます」「校庭のお掃除ありがとうございます」など感謝の気持ちが書かれていました。「ありがとう」と感謝されること、喜んでもらえることはとてもうれしいことです。そして感謝の気持ちを言葉で表すことが子供たちに身についていることを何よりうれしく思います。これも保護者のみなさまが学園の教育をご理解していただき、ご自身が手本となり、指導してくださっているおかげと感謝いたしております。
 昨年はおにぎり献金やクリスマス献金にご協力いただき、ありがとうございました。飢餓や貧困で苦しんでいる方が、世界では8億人もいるそうです。わたしたちは映像や文字や数字でしか理解できていませんが、SNSなどが発達し、地球の裏側の出来事にも相互に発信されています。世界の国々との距離はますます近くなり、経済や生活、文化など互いに多くの影響を受けています。地球全体の問題は一人ひとりの問題であるという考えが広がっています。小学校では児童会の子供たちが中心となり献金の呼びかけをしています。これをきっかけにまず世界の困っている人たちがたくさんいること知ってほしい、そして今、自分にできることは何かを考えてほしいと思います。献金も自分たちができることの一つです。ご協力してくださった方々の気持ちを大切にし、世界の苦しんでいる方々を助けるために使わせていただきます。
 聖書のマタイによる福音書の中で最後の審判の様子がたとえ話として書かれています。その中で人の正しい行いについてイエス様が伝えていることが具体的に表されています。

  人の子が栄光に包まれ天使を従えて来るとき、人の子は栄光の王座につき、すべての民族は、その前に集められる。そして、人の子は、牧者が羊とやぎとを分けるように、彼らを二つに分け、羊を右に、やぎを左に置く。そのとき王は自分の右側の者に言う。『わたしの父に祝福された人たち、さあ、世の初めからあなた方のために用意されている国を受け継ぎなさい。あなた方は、わたしが飢えていたときに食べさせ、渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢屋にいたときに訪ねてくれたからである』。そのとき、正しい人たちは答えるであろう。『主よ、いつわたしたちは、あなたが飢えておられるのを見て食べさせ、乾いておられるのを見て飲ませましたか。いつあなたが旅をしておられるのを見て宿を貸し、裸でおられるのを見て着せましたか。また、いつあなたが病気であり、牢屋におられるのを見て、あなたを訪ねてあげましたか』。
 すると王は答えて、『あなたがたによく言っておく。これらのの兄弟(姉妹)、しかも最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしたのである』と言うであろう。(マタイによる福音書25章31~40)

 イエス様は、「隣人を自分のように愛しなさい」とわたしたちに教えてくださいました。現在は世界中の人々が隣人であるとも言えます。ただ子供たちにとって、それはまだはっきりとは理解しにくいことでしょう。子供たちにとっての隣人は近くの友達や家族、学園の方々です。ご家庭や学園生活でたくさんの愛情を感じながら、困っている人に手を差し伸べ、人を思いやる心を持ってほしいと願っています。そして自分が愛されている存在であることに感謝してほしいと思います。わたしたち大人は子供たちを導きながら、同時にわたしたち自身も学んでいき、困難な状況でもいつも感謝の気持ちを忘れずに過ごしてまいりましょう。

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