【聖堂朝礼】春を待つ

 暖かい日が続いたと思っていたら、今朝はぐんと冷え込みましたね。朝、中庭をおそうじするときには、手先も足の指先も寒さで悴んでしまいました。

 先週もそうでしたが、聖堂横のマリア様の周りをおそうじしていた時に、皆さんの優しさに気がつきました。何年生がしてくれたのかは分かりませんが、マリア様のためにお食事を置いてくれていたんです。マリア様の足元に、丁寧にティッシュを広げてお皿代わりにして、その上にはたくさんのドングリが盛り付けられていました。給食を一緒に食べることはできないけれど、私にできることを考えて、「どうぞ」とお捧げする。その気持ちが素敵だなあと思いました。

 

 今、私たちは四旬節を過ごしています。イエスさまが荒れ野で過ごされたことを心に留める40日。この期間に私たちは、イエスさまが十字架にかけられる日までの苦しみを一緒に考えて、そしてご復活なさるイースター=復活祭=をお祝いできるように、お祈りと施しと犠牲を大切にしています。

 先週はおにぎり献金をどうもありがとう。全校で35万円以上になりました。コロナウイルスや地震災害などで大変な思いをしている方々にお届けしますね。

 

 さて、イエスさまは荒れ野での40日、たった一人で断食をしながら、神さまの声に耳を澄ませました。たくさんお祈りをして、悪魔の誘惑を退けました。そのあと、人々の前に出て「悔い改めなさい。天の国は近づいた」と伝え続ける暮らしに入っていきました。

 

 聖書を読んでいると、40という数字が何度も出てきます。

 「ノアの箱舟」のお話を知っていますか? 神さまのことを忘れてしまった人々ばかりになったとき、神様は人々を滅ぼそうとして4040夜雨を降らせます。でも神様に心を向け続けていたノアには「箱舟を作って、あなたの家族と動物たちを乗せなさい」と伝えます。周りが全部洪水で滅ぼされてしまいますが、ノアは救われました。船から降りたノアが初めにしたことは、神様へのお祈りでした。神さまは「もう人を滅ぼすことはしない」と答えて、そのしるしに「虹」をくださいました。

 モーセがイスラエルの人々を連れて、つらい暮らしのエジプトから逃げて新しい場所に行くのには40年かかりました。その旅の途中で神様に呼ばれたモーセが山に登り、お祈りを続けたのも4040夜でした。そして神様とのお約束「十戒」をいただいて山を下りてきます。

 こんなふうに、聖書の世界では「40」は大事な数字です。

 

 この四旬節のことをヨーロッパなどでは「レント」と呼びます。レントとは、もとの言葉=ゲルマン語=では「春」という意味を持っています。ですから四旬節は「春を待つ期間」。今は寒くて震えるような季節でも、神様に心を向けて春を待つ。やがて暖かくなり、花の咲く季節が来るように。四旬節を過ごしたあとに、イエスさまのご復活を皆でお祝いする日がやってくることを信じて過ごす季節です。

 

 お友達や家族、災害で苦しんでいる人、コロナウイルスでつらい人たちを心に留めて、みんなの心に春が来るように、私に何ができるか、何をお捧げできるか、一人ひとり考えて、毎日を大切に過ごしましょう。

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