【聖堂朝礼】落ち葉のプレゼント 11月12日

 秋が深まって、校門の桜や中庭の欅の、黄色や赤の落ち葉がきれいです。たくさんの落ち葉が集められて、雲梯の下に敷かれていますね。おそうじの方が工夫してくださいました。ふわふわして気持ちよさそうです。せっかく積み上げてくださったのですから、散らさないようにしましょうね。そして、落ち葉が多くなるということは、どんどん寒くなるということです。でも、水が冷たくても、ウイルスに負けないようにしっかり手を洗ってください。

 

 さて、10月は「ロザリオの月」でした。11月は「死者を思う月」です。亡くなられた方を思って、お祈りをします。この間の日曜日、聖堂で「追悼ミサ」がありました。ドミニコでは、毎年11月の第2日曜日にこの追悼ミサをしています。今年はドミニコのご家族やメール方など40人くらいの方が聖堂に集まりました。お祈りの声も出せないし、聖歌も歌えないごミサでしたが、パイプオルガンで聖歌を弾いていただいて、みんなで心を合わせました。

 ずっと前に亡くなられたメール方や先生方のお写真はパネルに入れられて毎年飾られています。そして、今年亡くなられた方のお写真は、祭壇の前に置かれたテーブルの上に並べられました。その中には、40年間事務長を務めてくださったメールや、前に同窓会長をしてくださった方のお写真もありました。

祭壇の横には、たくさんの花が生けられた大きな花瓶が飾られました。そしてテーブルの上の小さな写真の周りには小さなお花が飾られて、キャンドルも添えられました。

 

 大きい方も小さい方も、お花を飾ってくれた方はドミニコの卒業生です。皆さんの入学式や卒業式、幼稚園の七五三やクリスマスなど、聖堂や体育館で行われる行事の時には毎年必ずお手伝いをしてくださいます。今回も、いつもと同じようにお手伝いをしてくださいました。

 

 でも今年は一つだけ違いがありました。小さな写真の周りにはお花だけでなく、色鮮やかな赤や黄色、茶色の落ち葉が飾られています。校庭から一枚一枚、きれいなものを丁寧に選んで拾って、飾りつけてくださったのです。この方にしてみれば、いろいろな場面で長くご一緒した事務長のメールや同窓会長とこのキャンパスで過ごしたのですから、今年のごミサには特別な思いがあったのでしょう。お花はよそから仕入れて持ってきてくださったものですが、落ち葉はこの校庭のものを使いました。

 一緒に見た景色、一緒に歩いたり遊んだりした校庭。あの頃から変わらずそこにある桜や欅の落ち葉を、写真の周りに飾りました。それは、「今日は学校にいますよ。ここでお祈りしていますよ」とお二人に話しかけているようでもありました。

 一枚の葉っぱは、夏は私たちに日陰をつくってくれます。秋には雲梯の下でクッションになってくれています。そして、亡くなった友達との思い出をつないでくれました。神様のプレゼントは、形が変わっても私たちの暮らしに寄り添ってくれています。神様にありがとう、ですね。

 たとえば雲梯の下に落ち葉が集められて積み重ねられていたら、集めてくださった方の心を思い浮かべて、散らすのではなく、上手に楽しんでください。

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