【聖堂朝礼】ロザリオの聖母記念日

 (久しぶりに聖堂で集まることができるかと期待しましたが、どうも木曜日の朝によく雨が降ります。この前の聖堂朝礼は219日ですから、7か月以上前のこと。昨日は3年生までが聖堂に集まれました。1年生は初めての聖堂朝礼を体験しました。

 ゆうべから静かに降り続けた雨は今朝までに、金木犀のオレンジ色の花を絨毯のように地面に敷き詰めてくれました。台風の風と雨だったらこんなにきれいにはなりません。1年に一度だけのこの景色は、神さまからのプレゼントです。金木犀の花びらは十字架の形をしています。聖堂横のマリア像が見つめる先にも、この小さな小さな、花の十字架が広がっています。いつもお掃除をしてくださる方は、今日一日は皆さんのためにこのオレンジ色の絨毯をそのまま残してくださるそうです。むやみに踏まないで見てくださいね。

 

 さて、昨日=107日=は「ロザリオの聖母を記念する日」でした。世界中の教会がロザリオの聖母を記念します。今から450年くらい前のこと、いくつもの小さな国が、すごく大きな国に攻めこまれてしまいました。相手は大きな船で海を渡ってやってきます。小さな国の人たちは、とにかく皆でマリア様にロザリオの祈りをたくさんお祈りしたそうです。すると、大きな国の船を追い払うことができて、その戦争に勝ちました。1571107日、レヴァントの海戦と言われる戦いです。武器で勝ったのではなく、お祈りで相手を追いやることができた、それはマリア様が守ってくださったからだ、という言い伝えから、この日がロザリオのマリアの記念日となったのだそうです。

 

 ロザリオというのは、もとのラテン語は「ロザリウム」。バラの冠 バラの輪っか という意味でしたね。マリア様にお捧げするお祈りを美しいバラの花にたとえて、何度も繰り返しお祈りをするとき、バラの花が連なって、冠の形になる、というイメージです。

 高学年の皆さんは、ロザリオがどんなものか、すでに知っていますね。そしてお祈りの仕方も分かるでしょう。小学校の昇降口のマリア様のところにも、大きなロザリオが飾ってあります。小さな球がつながっていて、10個ずつで区切られています。輪っかを1周すると50個になるのが普通のものです。この1個ずつを指で手繰りながら「アヴェマリアの祈り」を捧げます。10回お祈りをすると一区切り。その区切りごとに「主の祈り」を唱えます。こうして、何度も何度もマリア様にお祈りを捧げます。

 同じお祈りでいいのでしょうか? はい、いいのです。マリア様のお隣にいる気持ちで、マリア様が心に思い浮かべていらっしゃることに私たちも心を寄せて、お祈りをします。マリア様は、心を寄せる私たちの、言葉にならない思いを汲み取って、イエスさまに取りなしてくださいます。だから、同じお祈りで大丈夫なのですよ。

 ではマリア様が思い浮かべていらっしゃることは、どんなことでしょう? それは、イエスさまの一生です。お生まれになった時も、大人になってからの出来事も、十字架にかけられた時も、復活なさった後も、マリア様はすべての出来事を黙って心に納めて、神さまにお祈りをしました。

 ロザリオの祈りを繰り返す時、一つひとつ、マリア様と同じ心で、イエスさまのなさったことを私たちも思い出して祈ります。私たちの小さな思いも、マリア様は拾い集めてイエスさまに届けてくださいます。声に出さなくても、聖堂でなくても、公園でも、お布団の中でも、どこでもお祈りしていいのです。10月はロザリオの月。小さなお祈りの積み重ねを大切にしてくださいね。

一覧に戻る
PAGETOP