【聖堂朝礼】新しい八木節

 今日は衣替えの日。すっかり涼しくなって、ちょうどよい時期です。昨日の夜は先生の部屋に、ヘッドホンをつけていても聞こえてくるほどの、鈴虫の大合唱が聞こえてきました。給食室では、今日「都民の日」に合わせて、東京でとれるお魚、野菜の材料で昨日の献立を作ってくださいました。今朝は金木犀の香りが、落ち葉の色づいた中庭いっぱいに広がって、目にも耳にも、鼻でも口でも秋の訪れを感じます。季節は一歩前に進みました。

 

 さて、6年生の皆さん、八木節を聞かせてくれてどうもありがとう。できれば聖堂で、皆さんに直接お礼を言いたかったのですが、今朝のお天気ではそれが叶いませんでした。ごめんなさいね。

 先週の6Bの演奏を聞いて、心が震えました。素晴らしいまとまり=一体感=があって、こんなに頑張っていたんだな、こつこつ練習してきたんだな、と映像から、音声から感じることができました。そして昨日の6Aの感動は今も残っています。体がまるごとリズムに乗っている姿から、明るさ、元気さ、力強さを感じました。お祭りの会場にでかけた気分になれました。どうもありがとう。5年生4年生の皆さんも、来年演奏するかもしれませんね。楽しみにしていてください。

 

 同じ校舎にいながら、オンラインで見たり聞いたりするのは初めてです。その場に行けたら、その場で聞けたら、と下級生たちは、実は先生方も、強く思っていたでしょう。もちろん皆さんだって、生で聞いてもらいたい、できるならリコーダーの音色も聞かせたい、と考えていたかもしれません。今まで見たもの聞いたものを、自分たちの手でやり遂げたかったでしょうか。

 でも、皆さんは「新しい八木節」を私たちに見せてくれました。リコーダーが使えないなら、マスクをつけたままなら、別の工夫をする。今できることに心を向けて、皆さんは八木節の合奏を新しい形で見せてくれたパイオニアです。時代の先頭に立った、この小学校の66年の歩みを一歩前に進めた、ということができます。それは素晴らしいことです。

 

 思い通りにならないことは世の中にいくらでもあります。新型ウイルスのこともそうですよね。こんなとき、思った通りにできないのだったらもういいや、と投げだしてしまうのは簡単です。でもその人の学びはそこで止まります。思い通りにならないのはきっとあいつのせいだ、と決めつけてしまえば自分は気が楽です。でもその人の仲間は、そこで一人いなくなります。

 そんなときに皆さんは、目の前の出来事を受け止めて、ウイルス感染を心配している人たちのことを思いやって、一つひとつ乗り越えてきました。やさしさと強さをまたひとつ身に着けて、一歩前に進めた皆さんが、今ここにいます。

 

 いやなこと、つらいことがあったときに、自分は独りぼっちだと思ってしまうと立ち止まって動けなくなります。そうではなくて、ここに友達がいる、と分かると、一緒に一歩前に進もうと思う気持ちがわいてきます。それを6年生は見せてくれました。それに倣って皆さんも、一日一日、今ここにいる友達を大切にして、一歩前に進んでくださいね。

 そして覚えておいてください。「私は世の終わりまで、いつもあなた方とともにいる」…イエスさまは天に昇られる前に、弟子たちに=私たちに=伝えてくださっています。私たちが前に進むことができるのは、イエスさまがいつもそばにいてくださるから。それを心に留めておきましょう。

一覧に戻る
PAGETOP