「断食」

 暖かな日差しが春の訪れを感じさせます。時折吹く冷たい風の中でも、子どもたちは外で元気に遊んでいます。いよいよ、3月になり、今年度も残すところ1カ月となりました。6年生のカウントダウンカードでは残り13日となり、小学校生活を名残惜しんでいます。他の学年も勉強や学校生活の締めくくり、来年度に向けての準備をしているところです。
 今年度を振り返ると、2019年の12月から今年度の5月まで約4年間続いた新型コロナウイルス感染症が2類から5類に移行され、ようやく今までの学校生活を取り戻すことができました。まだコロナの感染は注意を払わなければなりませんが、日本全体でマスク生活していた頃が遠い昔のように感じます。その代わりのように今年はインフルエンザが猛威を振るいましたが、今は少し落ち着いてきたようです。

 ところで、2月14日の灰の水曜日から四旬節に入りました。教会では灰の水曜日に、司祭が「あなたはちりであり、ちりに帰って行くのです。」という言葉を唱えながら祝福した灰を人々の頭にかけます。これは自分が灰のようにはかないものであることを認め、ただ神の慈しみや愛を思い起こさせてくれるのです。この日から復活祭までの40日間を四旬節といい、この期間には特に施し、祈り、断食という三つの善行が勧められています。イエス様の40日間の断食にちなんで、この期間中、断食をする習わしがあります。しかし、この断食は聖書の中で預言者イザヤが語っていることは、ただ食事を控えるということだけではありません。

 「悪による束縛を断ち、くびきの結び目をほどいて、虐げられた人を解放し、くびきをことごとく折ること。更に、飢えた人にあなたのパンを裂き与え、さまよう貧しい人を家に招きいれ、裸の人に会えば衣を着せかけ、同胞に、助けを惜しまないこと。」(イザヤ書58・6)

このように預言者イザヤは断食について、悪による誘惑を退け、困難や苦しみにあっている人々への親切や思いやりを実行していく「愛の実践」であると教えています。
 児童会の呼びかけで実施した「おにぎり献金」のご協力ありがとうございました。子どもたちは、我慢したおかず分を献金することで、苦しんでいる方々へ自分が行動することが大切だと学んでいます。
 そして、わたしたちも子どもたちと共に、神に愛されている自分、許されている自分、自分に無償で注がれている多くの恵みに気づき、感謝する日々にしたいものです。

 この1年間、保護者のみなさまには、ご協力をいただき、心より感謝しております。子どもたちが、それぞれの卒業・進級に向けて、残りわずかな日々を大切に過ごしていいけるよう見守ってまいります。

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