【聖堂朝礼】ロザリオの月

10月は、教会では「ロザリオの月」としています。ロザリオというのは丸い珠と十字架がついたもので、お祈りの数を数えるものです。小学校の昇降口の正面にあるマリア様の像の後ろに、ロザリオが掲げられていますから、今度見てください。

 

 ロザリオの祈りでは、主にアヴェマリアの祈りを唱えます。マリアに向けられたこの祈り

”アヴェ・マリア恵みに満ちた方、主はあなたともにおられます”

は、大天使ガブリエルがマリア様に「あなたは神様の子を産みますよ」と伝えに来た時に言った言葉です。その後のお祈りの言葉

”あなたは女のうちで祝福され、ご体内の御子イエスも祝福されています”

これはエリザベツのもとにマリア様が訪問した時の挨拶の言葉です。

12月のクリスマス会で6年生が聖劇をします。その中で2つの場面がありますのでよく見てくださいね。

 

このロザリオは、聖ドミニコとたいへんつながりがあります。異端という神様の事を間違って考え、信じている人たちがいました。みなさんは神様が天と地を作った後、最後に人を作ったことは知っていますね。すべて完成すると「とても良かった」とおっしゃいました。この異端の人たちはいいことと悪いこと、善と悪にわけて、魂を良いもの、体は悪いものとしていました。ですから、人間として生まれたイエス様も悪いものとして考えられていました。でもドミニコは神様が人間をとても愛していることをこの異端の人たちに伝えたいと考えました。神様の御言葉を伝え、神様の愛を伝え、多くの人をキリスト教の信者に戻していきました。初めはなかなかうまくいかなかったドミニコがある時にお祈りしてマリア様に助けを求めました。その時、聖母マリアが現れ、ドミニコにロザリオを渡したことが、始まりだとされています。さらにドミニコ会の人たちが多の地域に広めたそうです。形にそって、お祈りを続けて唱えるようになったことがいつでもどこでも誰とでも自由にできることから、段々と広まっていきました。私たちも毎朝一回ずつお祈りしています。そしてマリア祭ではロザリオの祈りをして、6年生が飾りを作ってくれましたね。

 わたしたちがドミニコの行動から習いたいことは「人をおもう心」です。貧しい人には食べ物必要です。では心の貧しい人は何が必要でしょうか。人は、どんな人もすべて、この世界に喜ばれて生まれてきました。ドミニコはそのことを自分の一生をかけて、人々に神さまの愛と慈しみを唱えました。

 家族のためなら、あるいは好きな人のためなら、誰でもお祈りをすると思います。しかし、ドミニコは自分と言い争いをするような人のためにもお祈りしたのです。これは、なかなかできることではありません。けれどもとても大事なこと、わたしたちも考えなければいけない事です。みなさんはどう感じますか。

イエスさまも、罪びとのために祈りました。イエスさまに倣ったドミニコも、同じように祈りました。「あなたは間違っている!」という前に、その人のために祈る心を、神様は私たちにくださっています。そしてイエス様もドミニコもそのことを行っています。

今、イスラエルとガザ地区にいるハマスという武装組織が戦争を始めました。この戦争ですでに多くの人が無くなっています。この戦争が行なわれているのはイエス様、マリア様のいらした場所です。そこはキリスト教とイスラム教の誕生の地であるために、それをめぐって、長い間争っていました。今回の戦争の原因は詳しくは分かりませんが、お互いが報復つまり仕返しとして攻撃することは、終わりのない争いの始まりです。どこかで、どちらかが辞めなければ続いていきます。この問題を解決することは簡単ではありません。私たちにできることは、この争いが早く終わること、をお祈りすること、そして憎しみや仕返しは、さらに多くの憎しみと悲しみを生みだすのだということを学ぶことです。

この10月の祈りの中で、一緒に考えていきましょう。

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