中庭のマリア様

 4月も終わり、子どもたちはそれぞれのクラスにもなじんできたように思われます。1年生も対面式を終えて、他の学年と一緒に朝礼に参加しています。コロナ禍で中止していました音楽朝礼を今年から、再開しました。全児童で歌う歌声は、低学年の元気さ、かわいらしさと高学年の透明感のある美しい声が心地よいハーモニーとなります。久しぶりの音楽朝礼で習う歌は『緑のラララ』です。私が新任で学園に来たときの音楽朝礼で歌っていた曲なので、今でも歌を覚えています。きっと保護者の方の中にも、この歌を聞いて懐かしいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。いつか皆様に披露できるときが来ると思いますので、楽しみにしてください。

 1年生には6年生の同じ出席番号の児童がお世話につきます。対面式では体育館に誘導したり、プレイデーで一緒に過ごしたりします。昼休みなども一緒に遊んでいる姿をよく見ます。廊下をつい走ってしまう1年生の男子を「廊下を走っちゃだめ」と注意する6年生男子の姿はまるで、先生や保護者のようです。

さて、爽やかな5月、美しい花々が咲き乱れ、澄んだ青空が広がるこの5月を、教会では、マリア様を記念する月としてお祝いします。子どもたちも5月に行われるマリア祭に向けて、一人ひとりの祈りを花束にした霊的花束を作り上げていきます。このように、5月は特に聖母月としてマリア様を通してキリストを賛美します。

学園の中庭には、子どもたちを見守るようにルルドのマリア様の像が立っています。この像は学園の創立50周年の記念として、同窓会がイタリアから取り寄せ、寄贈してくださったものです。ちょうど聖堂に入る右側に、素晴らしい自然の大きな石があたかも洞窟のように組み立てられ、すてきな空間が出来上がっています。この洞窟は、1858年2月11日、フランスの寒村ルルドで、喘息を患っていた少女ベルナデッタに聖母が出現されたときの様子を再現しています。出現されたマリア様は腰にブルーの帯をしめ、手にはロザリオを持ち、2月であるにもかかわらずマリア様の足元にはバラの花が咲いていたというベルナデッタの証言をもとに像にした特徴的なマリア像です。ご出現されたマリア様は、ベルナデッタと共にロザリオの祈りをとなえ、罪人のために祈ってくださいと頼まれました。このご出現において聖母マリアは、さらに、ご自分が原罪の汚れなくして宿ったものであると告げられました。教会が聖母の無原罪を教義として制定した4年後のことでした。ルルドはその後、この洞窟から湧き出た水によって奇跡的に病気が治癒された例がたくさん報告され、巡礼地として世界的に有名になりました。

人々を慰め、助け、支えてくださる聖母マリアは、人々の救いのため、常にイエス様を前面に差し出しながら、謙虚な生涯を捧げられました。ゆえに、2000年が過ぎた今でも、人々はマリアを賛美し続けているのです。学園でも、中庭にいらっしゃるルルドのマリア様が、元気良く遊ぶ子どもたちをやさしい目で見守ってくださっています。

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