継続は力なり

 温かい春の訪れとともに、2023年度がスタートしました。進学おめでとうございます。

3月に卒業生たち82名が小学校の学び舎から旅立っていきました。新6年生が在校生代表として、式に参加してくれ、本当に見事な歌声を披露してくれました。3階からきれいな歌声が加わり、すてきな卒業式になりました。

 私は式の中で、いつもそばには、友だちやご家族、先生方がいて、時には陰から見守り、時には前に立ち、支えてくださったことやそんな方々を思い出しながら、感謝の気持ちを伝えてほしいと伝えました。式の後の謝恩会では、子どもたち一人ひとりから、感謝のメッセージがありました。「悪いことをした時も、自分の話をちゃんと聞いてくれてありがとうございました」「6年間、お弁当を作ってくれてありがとうございました」と涙ながらに感謝の言葉を伝える姿に思わずもらい泣きをしました。また多くの子どもたちの姿から6年間の成長の大きさを感じることができたことはとても幸せな時間でした。これからの未来に大きく羽ばたいてほしいと願っています。

 さて、3月の校報や保護者会でもお話ししましたが、4月9日(日)の復活の主日に向けて、今までの自分自身を振り返りながら、新しい目標を立て、新学期を迎える準備していると思います。「友だちをたくさん作る」「漢字をがんばる」など自分なりの目標を立てているでしょう。

 「継続は力なり」という言葉があります。これは何かを成し遂げるためには、一度や二度ではなく、ひたすらに続けることが必要だという意味が込められています。成功や目標達成ということは、一日にして成らず、努力と時間が求められます。

 例えば、漢字の勉強をする場合、一日だけ練習しても、すぐに忘れてしまったり、たくさん覚えられずに、挫折してしまったりすることもあるでしょう。しかしながら、毎日少しずつでも勉強を積み重ねることで、時間がたつにつれて確実に覚えていくことができます。そして、そのことを楽しむことが重要で、楽しみがなければ続きません。「難しい漢字を書いてみたい」とか「難しい本を読みたい」など、楽しみや好奇心を持つことが大切です。

 また、勉強やスポーツにおいても、同様のことがいえるでしょう。大きな成果を上げるためには、失敗をしながらも一つのことに何度も取り組み続けなければなりません。すべてのことを楽しむことは難しいですから、忍耐力も必要です。失敗をすることから学びを得て改善することができます。「継続は力なり」は、決して簡単なことではありません。いつも努力を求められますので、時にはつらいこともあります。しかし、あきらめなければその先には、必ず報われることが待っています。その達成感と喜びは、一時的なものでなく、ずっと長く感じることができます。まずスモールステップで、達成することを味わう経験をさせ、何度も経験することでしだいに自信を持ち、自己肯定感や自己効力感が高まってきます。そのためにも子どもたちがお互いに学び、いろいろな経験をする環境を大事にしましょう。その中で成功や失敗の体験は子どもたちの財産になります。その貴重な機会を奪わないように、わたしたち大人は、子どもたちを時には陰から見守り、時には前に立ち、支えてまいりましょう。

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