【聖堂朝礼】最後の晩餐

月曜日に静岡県熱海市で土石流災害が起こりました。ニュースに映し出されたのは、山から町に土石がものすごい速さで流れ電柱や建物をあっという間に飲み込み、それまでの風景と全く違う様子になっていました。胸が締め付けられるほど、つらい映像でした。

25人の方が、行方不明になっています。そして今日も多くの人たちが一生懸命に探してくれています。亡くなった方の悲しみ、家族の行方が分からない方の苦しみに心をよりそい祈りましょう。

 

昨日の東京都の感染者が920人と、非常に増えています。今感染力の強い変異株が日本にも入っています。わたしたちももう一度、気持ちを新しくして、感染を防ぐようにしていかなければなりません。こまめに手洗いをすること。マスクをつけ、外している時はしゃべらないこと。友だちとの距離をとること。熱をはかって、自分の健康状態を調べて、少しでも具合が悪い時はお休みしましょう。感染しないことも大切ですが、友だちにうつさないことも大切です。もう一度感染対策をしっかり行いましょう。

 

さて、聖堂朝礼がなかなか行えませんが、聖堂の入り口の左側にある大きな絵を覚えていますか。

あの絵はイタリアの画家レオナルドダビンチが描いたもので、「最後の晩餐」という題名です。1498年に描かれました。

レオナルドダビンチは知っていますか。「モナリザ」を描いた人と言えばわかるかもしれません。この絵はイタリアのミラノにあるドミニコ修道会の食堂の壁に描かれました。

イエス様と12人の弟子たちが、過ぎ越しの祭りで食事をするところです。過ぎ越しの祭りというのは、ユダヤ人の先祖がモーセに連れられてエジプトから脱出した記念のお祭りです。食卓には子羊の肉やパンやぶどう酒のごちそうがあったそうです。お祝いが始まる前に、イエス様は弟子たちの足を洗ってあげました。足を洗うのは、奴隷の仕事です。弟子たちは自分たちの先生に足を洗ってもらうのは申し訳なく思っていたでしょう。

「わたしはあなたたちの主人であり、先生であるけれども、こうして足を洗ってあげた。だからあなたたちも、お互いに人の足を洗ってあげなさい。私は今、その手本を見せたのだ。」

とイエス様はおっしゃいました。なぜイエス様は弟子たちの足を洗ってあげたのでしょう。皆さんは分かりますか。

 

昔はサンダルのような靴でしたから、長旅の中では足がとても汚れています。汚れたものに触るのは嫌なので、昔は奴隷の仕事になっていたのですが、それをイエス様はご自分でなさったのです。「自分がしてもらいたいことは、他の人にもそのようにしなさい」とイエス様はおっしゃっています。自分がしてほしいことはまず、自分が人にしてあげることを教えたかったのでしょう。また人の心もいろいろな罪で汚れています。その汚れを汚いと遠ざけるのではなく、真っ先にその汚れを自分が取り除くこと、そしてそれを互いに行いなさいということを教えたのです。

そしてこの足を洗った弟子の中に、イエス様を裏切るユダもいました。イエス様はユダが裏切ると分かっていましたが、ユダの足も洗ってあげました。足を洗うことで「心をきれいにする」こと、つまりユダのこれから行う裏切りも赦すということです。

 

その後、イエズスさまはパンをとり、天のおん父にお祈りして、これをわり、弟子たちに分けながらおっしゃいました。

「これをとって食べなさい。これはあなたたちのために十字架につけられるわたしの体だ」

次にぶどう酒の入ったさかずきをとり、同じようにおん父にお祈りして、

「みな、これを飲みなさい。 これはあなたたちのために流すわたしの血だ」

とおっしゃいました。そして最後に、

「わたしの記念として、これと同じことをしなさい」

とおっしゃいました。(小学生の聖書:木村 義男著)

 

このパンがご聖体です。ミサで行われる聖体拝領で神父様から「キリストの体」と言われて、渡されるおせんべいのようなパンのことです。信者でミサに参加した人はもうすでに知っていますね。

このパンはイエス様の体、ぶどう酒はイエス様の血として、キリスト教ではこの儀式であるミサが、毎日教会で行われています。

今日は、最後の晩餐がミサの元になっているというお話でした。

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