根気について

7月に入り、1学期も残りわずかとなりました。いつも保護者の皆様には学園の教育にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。緊急事態宣言の延長のため、延期としたマリア祭、4月、5月と中止とした男児親睦ラグビーを実施することができました。

6月3日()には低学年と高学年を3校時と4校時に分けて、マリア祭を行いました。マリア祭に初めて参加した1,2年生は少し戸惑う様子もありましたが、献花や霊的花束の奉献を立派に行うことができました。そしてみなで心を合わせてお祈りをすることができました。4校時の4,5,6年生は高学年らしく、聖堂に入堂してくる前から厳かな雰囲気を作っていました。聖書朗読、共同祈願、ロザリオの祈りの児童たちは、みな堂々と落ち着いた態度でした。低学年も高学年もそれぞれの学年にあった、よいマリア祭になりました。

 男児親睦ラグビーは20193月から中止しましたので、13か月ぶりとなりました。「ラグビーありますか」「今度のラグビー、楽しみ!」そんな子どもたちの声に、ラグビーをすることをとても首を長くして待ち望んでいたのをひしひしと感じました。当日はサントリー・サンゴリアスの大越元気選手と日野レッドドルフィンズの田邊秀樹選手が特別に練習に参加してくださいました。大越選手は、聖ドミニコ学園小学校の卒業生です。そして田邊選手は、聖ドミニコ学園小学校にお子さんが通っている保護者の方です。お二人がそれぞれのグループで長い距離をパスしたり、迫力のあるタックルを見せてくれたり、デモンストレーションをしている姿を感嘆の声を上げて食い入るように見ていました。子どもたちにとってとても貴重な体験になりました。できなかったことが行えるようになったことを感謝いたしましょう。

  さて7月の目標は「根気」です。「根気強い」「根性」という言葉があります。「根」は時間をかけて地中に伸びていき、あるいは広げ、しっかりと地面に根を張っていきます。根が張らないとすぐに抜けてしまいます。根を張るように辛抱強く長い時間こつこつ続けていくことは子どもにとっても、あるいは大人でもなかなか難しいことです。

 では「根気」はどうすると強くなるのでしょうか。

脳の海馬の前部分は情動を伴う記憶の形成に深くかかわっている部分だそうです。その脳の海馬前部の活動が活発になると根気は続かなくなります。今度は「幸福ホルモン」であるセルトニンが分泌されるとその海馬の活動が抑制され、根気が続きやすくなるという研究成果があるそうです。このセロトニンはアドレナリンやドーパミンが暴走しないように抑制する働きがあり、それが分泌され海馬前部の活動が抑制されることで安心している状態になります。

 「根気」とはべつに「やる気」があります。それは一歩を踏み出すために必要で、やる気が起こっている時、脳内にはドーパミンやアドレナリンが分泌されます。それを抑制しようとしてセロトニンが分泌され、今度は根気が継続されていくというわけです。つまり安心した状態や環境でなければ「根気」は続きません。セロトニンを増やすにはバランスの良い食事、運動、朝食をしっかりとる、日光を浴びるなど健康的な生活が不可欠です。またセロトニンは「幸福ホルモン」ですから、楽しんで行動することで多く分泌することができます。前述しましたが、「根気」の前に「やる気」がないと始めの一歩は踏み出せません。それにはスモールステップが大切です。勉強だったら、まず問題を1問解くことから始めるなど、小さな行動を続けることが、結果的にやる気を継続させることができます。そこに達成感を味わうことができれば、またやりたいと思うようになり、そして自信がつきます。一つの成功は次の成功を生み出します。わたくしたちも根気強く、子どもたちと対峙していきましょう。

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