【聖堂朝礼】フランシスコ教皇さまへ

 ずっと良い天気が続いていますね。おかげでこのところ毎日、皆さんの作ったステンドグラスがとてもきれいに見えて、階段を上り下りするのが楽しみになっています。

 今年は1月も2月も、ほとんどが晴れの日で、外で遊ぶには嬉しいお天気です。でも新型コロナウイルスのためにマスクを外せないことが煩わしいでしょうか。それでも皆さんはいつもきちんと着けていて、えらいなあと思います。

 

 ところで、夜眠る前などにお母さまやお父さまに本を読んでもらうことは今もありますか? 小学生になって、もう自分で読むようになったかもしれませんね。好きな絵本は何かな? 子どもの頃に読んだ本は、大人になってからもう一度読んでみると新しい勉強になる、と聞いたことがあります。大事にしてくださいね。

 

 ここに1冊の絵本があります。見たことはありますか? 1年生の皆さんは図書室に入ったことがまだないでしょうから、初めてかもしれませんね。

 題名は「フランシスコ教皇さまへ」。6歳から13歳の子どもたちからの質問に、教皇さまが答えてくださったのが絵本になりました。世界のうち26の国から256通も質問が届きましたが、そのうち30の質問が載せられています。どんな質問があったのか、いくつか紹介しましょう。

 

 「神さまは、世界をおつくりになる前は何をしていたのですか?」(8歳 カナダ)

 「神さまは、なぜ悪魔をやっつけてしまわないのですか?」(9歳 ペルー)

 「守護の天使は、悪い人にもついているのですか?」(10歳 ニカラグア)

 

 こんな質問に、教皇様は一つひとつ丁寧に答えてくださっています。こんな質問もありました。

 「なぜ、貧しくて食べ物のない人がたくさんいるのですか? 神さまは5000人をおなか一杯になるまで食べさせた時のように、貧しい人たちに食べ物を与えることができるのではありませんか?」

7歳 オーストラリア)

 教皇様の答えはこうでした。

 「もちろん! 神さまにはそれができますよ。そして、神さまはそうし続けています。あのときイエスさまはすべての人に配るようにとパンを弟子たちに渡しましたね。(中略)ごらん、もうパンはあります。地球上には、すべての人が食べるのに十分な食べ物があるのです! 本当の問題は、たくさん持っている人が、それを他の人と分け合うのをいやがっていることなのです。イエスさまのせいではないのです。(中略)わたしたちは、持っている財産や食べ物を分かち合うことを学ばなければなりません。そうすれば、すべての人が満たされ、だれもが幸せになるでしょう」

 

 イエスさまは弟子たちと最後にお食事をした時にも、パンを分け、神さまに感謝のお祈りをしてからみんなと分かち合いました。私だけ、ではなくて、みんなと一緒に「分け合う気持ち」を私たちもイエスさまに倣って、持っていたいですね。

 新型コロナウイルスのためにつくられたワクチンも、世界のうちの10か国が半分以上を持っていて、貧しい国など130か国には届いていないそうです。私たちは手を洗うこともできるし、マスクも着けられますが、地球に生きている人たちの半分近くは、満足に手を洗うこともできないそうです。今の毎日を感謝し、地球の家族と何でも分け合える私たちになれるよう、学んでいきましょう。

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