2024年02月11日
《教室寸景》(高2・日本史探究)「分国法ベストワン」
日本史探究の目標のひとつに、「諸資料から我が国の歴史に関する様々な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能を身につけるようにする」ことが挙げられています(『高等学校学習指導要領』)。資料を取り扱う技能は当該科目に先行して履修する「歴史総合」においても強調されており、以前にフランス国歌を題材にして実践を行いました(歴史資料としてフランス国歌を読み解く。当該実践を含め、詳細については「史料を活用した論述課題の開発と実践」〔『総合歴史教育』57号、2023年〕にまとめてあります)。
高校2年生の「日本史探究」では、先日、分国法について学習しました。「分国法」は「戦国大名が領国(分国)統治のため制定した施政方針・法令」(『日本史用語集』)のことです。教科書にはいくつかの分国法が掲載されており、有名なものでは喧嘩両成敗などがあります。
授業における分国法の取り扱いについては、制定者と法令名、主要な内容についての情報整理にしばしばとどまりがちです。しかし上記のように諸資料の読解が必要とされていることに留意し、本年度の日本史探究で取り組んだのが、標題の「分国法ベストワン」です(タイトルはバラエティ番組より拝借しました)。
生徒たちには次の課題を提示し、その解決に取り組んでもらいました。
この課題をつうじて、「戦国時代にもっとも効力を発揮する決まり(=ベストワン)は何か」ということを考えてもらいました。「戦乱の世に生き残れる強い国になるためには何が必要か?」という戦国武将の視点をできるかぎり想起しながら、適宜履修者同士で相談しつつ、自分の考えを1時間かけてまとめていきました。ルーブリックは次のとおりです。
史料を丹念に読むことによって、ひとりひとりが歴史像を構築しながら学びを深めていってほしいと担当者は考えています。
(地理歴史科・日本史探究担当)