10月 園長ブログ
暑い中で工夫をしながら学園祭と運動会を無事に終えることができました。いろいろな経験から自信をつけている幼稚園の子どもたちは、少しずつ秋らしくなってきた今の季節を全身で楽しんでいます。
先日、年中のある男の子がお仕事中の席まで先生の手を引き、「見ててね」と声をかけると、ハサミを使ってジャックオーランタンの絵に沿って切り始めました。1学期の頃はハサミの扱い方が拙かった子だったので、切りづらい細かい口の部分に差し掛かった時には手助けが必要かなと身構えたものの、ぐっと我慢して最後まで見守ったそうです。結果、息を止めるほど集中し、細かい部分も紙の向きを変えながら線に沿って最後まで切ることができました。普段、どちらかというと挑戦することに奥手な子でしたが、やってみたいという気持ちが自らを行動に移させたのだと思います。やりきった後に満面の笑みを見せてくれたそうです。
同じ日に年少さんの女の子もハサミを使ったお仕事をしていました。まだまだハサミの扱いがたどたどしい感じです。少し細かい部分に差し掛かった時にそっと手を添えて紙の向きを変える補助をしてみたそうですが、添えたことも、手を離したときも全く気付かないほど集中して絵を切り取っていたという様子を教えてもらいました。
子どもが特定の事柄に対して強い感受性が現れ敏感になっているときに、その事柄に取り組む環境が整うと、集中する様子が見られます。周りの大人がやってみようと促すよりも自らやってみようという気持ちで取り組んだ体験はより大きな力となり、集中する体験と共にその周りのことへも興味が広がっていきます。
この場面に遭遇した先生は、伸びよう伸びようとする子どもが本来持っている自己教育力を強く感じたことを感動した表情でお話ししてくれました。