《教室寸景》(高2・日本史探究)「時代を通観する問い」を立て、検証する

 2022年度の学習指導要領施行にともない始まった新科目「日本史探究」では、各時代の最初の部分を学習した後に「時代を通観する問い」を生徒がつくることになっています。本校の日本史探究においても、さっそく「原始・古代を通観する問い」に取り組みました。

 授業では、まず旧石器時代から弥生時代までを扱いました。そのうえで、次のような課題を出しました。

 「時代を通観する問い」は一から作るべきなのかもしれませんが、授業を通じて考える視点を教員・生徒双方が明確にしておくということも重要と考えます。そこで、思い切って、外交、土地の生産力、鉄という3つの視点を提示し、そのうちどれが原始・古代という時代のなかでもっとも重要であったかという形で、生徒の皆さんには「問い」を考えてもらいました。

 そして1学期の終わりに上記の問いかけに対する解答を返却し、授業を踏まえて「問い」の検証を行ってもらいました。

 生徒の答案をみると、最初に立てた視点を貫いているものもあれば、改めて考えてみると別のもののほうがやはり重要である、ということを述べているものもありました。これまで歴史学習というと、教科書に書かれている事柄をいかに整理して理解するかということに重点が置かれてきました。もちろんそのような方法にも意義はあるとは思いますが、問題意識をもって学習に取り組み、その過程で自分の考え方はどのように変わったのかということを知ることも重要ではないかと、授業担当者は考えています。

 2学期以降に学習する中世や近世についても、その時代を特色づけるものは何かということを考えながら、生徒の皆さんには学習していってほしいと思います。

一覧に戻る
PAGETOP