《教室寸景》(中学2年・国語)「短歌ホットシーティング」

 中学2年生の国語の授業にて、短歌の学習を行いました。今日は、授業の中で実施した「短歌ホットシーティング」についてご紹介します。

 「ホットシーティング」とは、演劇(ドラマ)教育の手法で、「ある人物になりきってインタビューを受ける」というワークです。今回は、教科書と資料集に掲載されている約八十首の短歌から一首を選び、その作者になりきってインタビューを受けるというワークを行いました。

 「一番伝えたいポイントはどこですか」「何をしているときにこの短歌を思いついたのですか」などの質問に対して、作者役の生徒が自分なりの答えを返します。すると、その答えに触発された新たな質問が出てきて、新たな答えが返されます。生徒たちはインタビューを通して、短歌の三十一文字に込められた、言葉の世界の奥深さを感じ取っていきました。

 ワーク後の生徒のコメントをいくつかご紹介します。

  • 作者は思っていないかもしれないですが、作者の短歌についての人それぞれの考えや考察を聞くことができて、あーこういう考察もありかも!と共感もできて、嬉しかったです。
  • 作者がこの短歌を思いついた時に何を考えていたのかを、正しいかはわからないが想像することができた。私は、この短歌は観覧車目線だと思った。
  • この短歌は、暗い気持ちの人に向けて、希望を込めた歌だと思いました。動かない光が運ばれるという表現が面白かったです。

 「句切れ」や「比喩」など、表現技法に関する学習も大切ですが、作者になりきることで「なぜこの言葉をここに置いたのか?」など、短歌を能動的に読解することができたようです。授業をしている教員自身、生徒たちの解釈を聞きながら「前から知っているこの短歌には、こんなに深い意味があったなんて!」と、新鮮な驚きをおぼえました。

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