「ダンスコンクール」石川一郎

 
先週ドミニコ名物の一つである、ダンスコンクールが開催されました。
各クラスごと、ダンスに題名がついています。
例えば…
中3のあるクラス「モノクロームのキャンパス〜ゲルニカより」
高1「胡蝶之夢」「世界終末時計〜零時まであと2分」
高2「水声」「狂気絵図〜芥川龍之介  ‘地獄変’ より〜」
いかがですか?これを見てちょっと驚きました。
自分自身はダンスを観るときに、今まではその身体能力を観て「すごいな」と感じていた気がします。
そして聖ドミニコ学園と関わる以前は、  ‘みんなで力を合わせて、全力で可愛く頑張る’ こそが女子チームのダンスだ!みたいな、まさに親父的な思いもあったかもしれません。
それが、体育科の担当M先生や、先日の生徒インタビューの中でダンスにかける思いを聞くことで、まったく違う世界があることに気づき、驚かされました。
彼女たちのダンスには物語があるのです。ものすごい主張があふれています。
例えば、高校2年生
「水声」…水がないのは罰であり、朽ちるのは定めであろう。大切なこの地を捨てるのは神への裏切りだ。裏切り者の手を離した時、微に水の音が聞こえた。
「狂気絵図」…業火に包まれた牛車の中には最愛の娘。絵師、良秀は人間の情も忘れ、無上の喜びを感じ恍惚と筆を執る。描き上げたのは自らが堕ちゆく地獄。
ここまでの構想を彼女たちがダンスで表現するまでには以下のような流れがあります。
情報の収集 →  分析  →  構想  →  デザイン  →  ダンスで表現
1最初に世の中で起きている事象の中から自分たちが気になることをピックアップする
2事象をいくつかの視点から分析して、具体的な事象を抽象化する
3抽象化された事象を何かテーマとなるようなものに置き換えてみて物語にしていく
4物語を与えられた条件下でいったん俯瞰してみる。見る側の視点にたってデザインする
5実際に試行錯誤しながらダンスでの表現に落としこんでいく
といった過程を通っていると考えられます。
なんかダンスを難しく解説して申し訳ないです(汗)
インタビューした生徒たちに怒られそうです(笑)
ま、でも仕事がカリキュラムマネージャーなのでご容赦ください(笑)
ただ先ほどの→の流れは、ダンス以外にも応用は可能です。
何かを制作する時は、こんな流れを繰り返しているのではないでしょうか。
知識を得て、活用して、何かを描こうとする、デザインして表現する。
この順番はいろいろ入れ替わったり、表現の手段が言語だったり、数式だったり、音符だったり、絵画だったり……
あらゆる学びには通じるものがある。
そしてそれは得意なものから極意をつかんでいけばよい。
新しい学びのドミニコ学のリーダーでもあるM先生。そのもとで、どんな学びがデザインされていくのか、とても楽しみです❗
一覧に戻る
PAGETOP