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上智大学講演会①

 12月5日(木)に本校聖堂にて「上智大学講演会」を行いました。本講演会は、2024年9月に本校と上智大学とが高大連携協定を結んだことを記念して実施しました。

 当日は二部構成で、第一部では上智大学経済学部経営学科教授・高大連携担当副学長の西澤茂先生をお招きし、高大連携記念講演として、「上智大学の魅力」との題でご講演いただきました。その後、会場をカタリナ棟会議室に移し、第二部として、西澤先生と本校生徒とが対話する交流会を実施しました。

 期末試験最終日の夕方にもかかわらず、保護者の方が大勢来校なさって西澤教授の講話に熱心に耳を傾け、交流会では中高生が積極的に質問をするなど、大盛況でした。

 以下、当日の様子を2回に分けてお伝えします。

 はじめに、第一部についてご報告いたします。西澤先生の励ましに満ちた温かな肉声を、そのままお伝えすることができないのが本当に残念です。それでも、講話のエッセンスをご紹介することで、先生からのメッセージを1人でも多くの方々と分かち合いたいと考えます。

1)読書の習慣化について
 何よりも大切なのは基礎学力であり、それを養うには読書を習慣化することです。母語(=first language)の書物に数多く触れることによって他者の考え方を深く理解し、思考力に磨きをかけましょう。
 また、読書によって、それぞれが好きな分野や著者に出会うことができると良いですね。海外で求められるのは、「日本」の歴史や文化についてしっかりと語ることのできる力です。日本と諸外国との橋渡しができる優れた人材になるために、first languageによる読書を習慣化してほしいのです。
 そして、仲間内あるいは家庭内で、本の面白さを分かち合うひとときを持ちましょう。特に、親子で一緒に読書をして会話が弾む家庭のあり方は、望ましいと思います。

2)大学はゴールではなくスタート
 大学とは「学ぶことを学ぶ」場所です。殊に、人的ネットワークによってさまざまな価値観に触れ、視野を拡大し、思考力に磨きをかけ、想像もつかない魅力的な未来への足がかりを作るところなのです。
 4年間で身につけた「学ぶ」力は、生涯を通じて実践することに意義があります。大学進学は、決してゴールではありません。むしろ、探究する人生の始まり、といえるでしょう。

3)教科書は重要な《アプリ》
 中高生時代には、基礎力をしっかり培いましょう。基本や基礎は、すべて教科書に記されています。それは、いわば《アプリ》のようなもので、学年ごとにインストールした《アプリ》を活用しながら、思考力を鍛えるのが大学です。教科書に基づく学校での学びを大事にしましょう。 

4)《型破り》と《形無し》の違い
 「型があるから型破り、型がなければただの形無しだ」とは、十八代目 中村勘三郎の言葉です。
 歌舞伎界では幼少期から基本を徹底的にたたき込みます。型を体得した上で初めて、既存の枠にとどまらない自由な発想が生まれ、観客を魅了できるのですが、それこそが《型破り》。基礎もままならないのに奔放にふるまうのが《形無し》です。
 学術研究の世界や中高時代の学校生活も同じです。基礎力を十分に養ってこそ、オリジナリティを発揮する余地も生まれることを、忘れないでほしいものです。

5)「習慣化」がキーワード
 「習慣化」に関する書物がベストセラーになっています。「習慣化」を実践する人によれば、はじめは思うに任せなかったのに、ある日、とつぜん目の前が開けて、実力がアップするそうです。勉強も読書も続けるうちに、きっと急に伸びることでしょう。
 英語を例にあげましょう。英語を自在に話すには2000時間が必要だといわれます。毎日1時間、6年間たゆまず学習すると2000時間超になります。ぜひ、日々の積み重ねを大切にしてください。

6)若い時こそチャレンジを
 若い時こそ新しい環境に身を置き、人との出会いを通じて人生を切り拓きましょう。慣れ親しんだ居心地のよい場所にとどまらず、面白いと感じるままに広い世界に飛び出し、勇気をもって挑戦してほしいものです。

7)魅力あふれる上智大学での学び
 上智大学の魅力は、恵まれた立地に、多彩で優れた人材が集い、カトリック世界のネットワークによって学術研究を深め、卒業後の進路も手厚く支援しているところです。
 活き活きとした学生たちの姿や声は、YouTubeで配信しています。ぜひ「Learning at Sophia」と検索してください。動画を通して、みなさんが憧れの先輩と出会うことができますよう、お祈りしています。

《つづく》

(進路指導部 伊藤)