『優しさを形に』
新緑の風が心地よく、校庭の緑がいっそう深みを増す季節となりました。 新年度が始まり、1ヶ月が経ち、子どもたちも新しい環境にすっかり慣れてきた様子です。
5月は「聖母月」として、イエス様の母である聖母マリアを特別に敬う月です。 本校でも5月20日(水)に、全校児童で「マリア祭」を執り行います。
マリア様は、神様からの「救い主の母になる」という呼びかけに対し、不安の中にあっても「お言葉通りになりますように」と、すべてを受け入れ、人々に深い愛を注がれました。 そのマリア様の生き方に倣い、私たちはこの1ヶ月、自分たちの心の成長を「霊的花束」として捧げます。
「霊的花束」とは、目に見える花ではなく、誰かのために祈ったこと、自分のわがままを我慢したこと、進んで善い行いをしたことなど、目に見えない「心の贈り物」をカードに記して集めるものです。 一つひとつの小さな善行が、美しい花束となってマリア様に届けられます。
この霊的花束を体現するかのような、大変嬉しいニュースが学校に届きました。 先日、ある一般の方からいただいた一通のメールをご紹介します。
「先日、大井町線の車内でのことです。7ヶ月の娘を抱き、ベビーカーを押して乗車したところ、混雑した車内で置き場所に困っておりました。 すると、近くにいた貴校のお子さんたちが『ベビーカーだよ、ほらあけて』とお互いに声をかけ合い、『ここ、どうぞ』と場所をあけて配慮してくれました。 ベビーカーでの移動は肩身の狭い思いをすることも多いのですが、お子さんたちの自然で優しい振る舞いに、心からありがたく、嬉しい気持ちになりました。」
このお話を伺い、私は胸がいっぱいになりました。 困っている方に気づくだけでなく、子どもたち同士で声をかけ合い、協力して行動に移せたこと。 それは、本校が大切にしている「よく生き、たくましく生き、愛し愛される人」の姿そのものです。
席を譲った本人は、もしかすると「当たり前のことをしただけ」と思っているかもしれません。 しかし、その「当たり前」の優しさが、誰かの一日を明るくし、救いになるのです。 これこそが、私たちがマリア祭を通じて学ぼうとしている「奉仕の心」の実践です。
「霊的花束」の期間だけ善いことをするのではなく、この1ヶ月の意識をきっかけに、生涯を通じて他者のために動ける人になってほしいと願っています。
保護者の皆様、どうぞご家庭でもお子様の「小さな善行」を見つけ、たくさん褒めてあげてください。子どもたちの心の中に、世界を照らす美しい徳の花がたくさん咲き誇る月となりますよう、共に見守っていただければ幸いです。