• 学校長ブログ

分ければ増えるもの

師走に入り、朝の冷え込みがいっそう厳しくなってまいりました。校庭の木々も冬支度を始め、学校では待降節(アドベント)の静かな祈りの時が流れています。

さて、本日の朝礼は、当初予定していた聖堂での集いを変更し、各教室に向けた「放送朝礼」という形で行いました。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、現在、校内でインフルエンザの罹患が増えており、残念ながら2年A組は学級閉鎖の措置をとっております。感染拡大防止の観点から、子どもたちが密閉した空間に一堂に会することを避け、それぞれの教室で静かに耳を傾ける時間といたしました。

スピーカーの向こうにいる全校児童、そして自宅で療養している子どもたちに向けて、今月の生活目標である「分かち合う心」について話をしました。 子どもたちには、少し不思議な計算の話を問いかけました。「ケーキやお菓子といった『物』は、分けると半分に減ってしまいます。しかし、世の中には『分ければ分けるほど増えていくもの』があります。それは何でしょうか?」

答えは、私たちの「心」です。 「嬉しい」「楽しい」という喜びの感情は、友と分かち合うことで2倍、3倍へと膨れ上がります。一方で、「辛い」「悲しい」という感情は、誰かに話して分かち合うことで、その重さが半分になり、心がふっと軽くなるものです。

クリスマスが近づくと、子どもたちはどうしても目に見える華やかなプレゼントや「物」に心が奪われがちです。しかし、この待降節の期間に本当に大切にしてほしいのは、目には見えない「思いやり」や「温かい言葉」を互いに分かち合うことです。

今日、学校に来ることができなかった児童たちへも、私たちの祈りと「早く良くなってね」という温かい心が届いていると信じています。物理的な距離はあっても、心の距離はいつも近くにありたいものです。

寒さが厳しくなりますが、ご家庭におかれましても、引き続き手洗い・うがいの励行など、お子様の体調管理にご留意ください。全校児童が元気に揃い、笑顔を分かち合える日が一日も早く戻ってくることを願っております。


【 校長室memo

「待降節(アドベント)」ってなに?

クリスマスまでの4週間を指す言葉です。ただ待つだけでなく、「心の準備」をする期間です。「今日は誰かに親切にできたかな?」と振り返ることは、一番のクリスマスの準備になります。ご家庭でもぜひ、「心の準備」の話をしてみてください。