『運動会』
『運動会』
先日の運動会は夏日となり、日陰もない中を応援くださり、ありがとうございます。また、急な申し出にもかかわらず、救護のサポートをお申し出くださった皆さま、終了後の片づけをお手伝いくださった皆様に心から感謝申し上げます。会中は、特に大きなけがもなく、皆様のおかげで無事に終わることができました。
さて、今年の9月、10月は30度を超える日があり、運動会を目前にしてグラウンドで練習ができない日がありました。子どもたちにとって運動会への準備期間は十分ではなかったと思います。それでも本番に向けて、朝や昼休み、放課後などのわずかな時間でも一生懸命に練習をしていました。一人ひとりがそれぞれに努力をしながら、また仲間との競技や演技のために、お互いに助け合い、励ましながら練習を積み重ねていました。どの子どももゴールに入るまで、あきらめずに走り抜いた姿に感動しました。競技や演技での真剣なまなざし、競い合う中での必死の形相は恰好よく、美しいと感じました。一つひとつの競技で勝った喜びと負けた悔しさをそれぞれが感じました。得点発表があり赤組、白組の勝敗が決まった場面では、飛び上がって大喜びした白組と、負けて涙を流した赤組の姿がありました。最後には互いの健闘を称え合い、大きな拍手が起こりました。この経験はとても貴重な出来事です。何日も積み重ねてきたからこそ、大いに喜べたし、大いに悔しい気持ちになったのです。友達と成し遂げた充実感や力を出せなかった後悔は、きっと次の機会に、次のステージで生かされることでしょう。
このように運動会はたいへんな盛り上がりを見せてくれました。それを思い返しながら、オレンジ色のパンフレットを手にとってみました。すぐに表紙のイラストが目に留まりました。人物がまるで動き出すかのように描かれて、歓声までも聞こえてくるようです。そこには単純な形で描かれていた人々がいますが、動きや表情は正確に捉えています。笑顔の人や驚いている人、大声を出して応援している人も見えます。一人ひとりの表情も描き分けていて、単純な形だけれど皆違っていて、年齢まで描き分けています。この絵を描いた作者の世界観がとても好きです。すべてが小さいパーツで描かれているけれど、何をしているのかがよく分かります。一生懸命に綱を引いている4年生たちの顔はきっと真っ赤になっているだろうと想像させられます。その様子を見て満足そうにほほえんでいる審判の先生においては、もう他人事だとは思えません。ポンポンを振って一生懸命に応援する応援団や白熱した競技を実況する放送委員、後ろで嬉しそうに見守っているお父さんやお母さん、兄弟姉妹も見えます。こんなに小さな紙の中に描かれた小さな運動会に、たくさんの人たち、それぞれの大きなドラマが描かれている不思議を皆さんにご紹介したかったのです。