『復活祭』

 進級・ご入学おめでとうございます。いよいよ2024年度が始まりました。学園創立70周年を迎え、「70の歴史を100の未来へ」のキャッチフレーズのように良い伝統を守りながら、新しい一歩を踏み出してまいります。

 今年度は1年生、88名が新制服に身を包み、新しく仲間入りをします。また27名の男子が入学し、A組とB組ともに共学クラスでのスタートとなります。

 さて、3月31日は復活の主日でした。ご復活おめでとうございます。復活祭(=イースター)は古代ゲルマン神話に登場する春の女神の名前「エオストレ(Eoster)」に由来するともいわれています。復活祭はイエス様のご復活をお祝いするキリスト教で最も大切な祭日です。

 復活祭の1週間前の3月24日は「受難の主日」。イエス様は、過越の祭を間近に控えて、ロバに乗り、弟子たちと共にエルサレムの町に入りました。すると大勢の群衆は、自分の服やシュロの木の枝を道に敷き、またシュロの枝を大きく振りながら、イエス様を歓迎しました。今でもこの主日には、ミサでシュロの木の枝を祝福し、イエス様の「エルサレム入城」を記念しています。小学校でも各教室にシュロの枝を飾っています。この日は「枝の主日」とも呼ばれています。

 そして弟子たちと最後の食事をしたのが木曜日。聖堂に飾られているレオナルド・ダ・ビンチ作の「最後の晩餐」がその場面になります。翌日の金曜日にはイエス様が十字架にかけられて命を落とされました。すべての人の罪を背負い、ご自身の命をお捧げになったのです。受難の翌日は安息日を挟んだ日曜日にご復活なさいました。40日間を弟子たちと過ごし、再び昇天します。その後弟子たちの上に聖霊が降臨し、世界の至る所で教えが説ける力が宿りました。そして弟子たちが世界中を回り、今日のようにキリスト教が広がっていったのです。

 復活祭は、日本ではあまり馴染みがありませんが、教会ではミサが行われ、家庭でごちそうを食べてお祝いするのが欧米では一般的です。イースターエッグやイースターバニーはご存知の方が多いかもしれません。卵は死からよみがえるイエス・キリストの復活を連想させ、1年に何度も子を産むウサギは豊穣を連想することから、生命の復活と繁栄を祝うイースターのシンボルとなっています。その他にもイースターツリーなどがあり、世界では様々な方法でイースターを祝っています。そして全ての地域で共通しているのが花です。イースターは春と共に訪れるので、百合、チューリップ、ヒナギク、スイセンが飾り付けに使われます。色とりどりの花は、ご復活の喜びと共に春の訪れを感じさせ、心を楽しませてくれます。学園にもたくさんの花が咲いています。ここ数年は4月の始業式の前に散っていた桜も、今年はみんなに姿を見せてくれそうです。「復活祭」「新学期」と新たな気持ちでスタートいたしましょう。

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