学園祭を終えて

 9月17()18()と無事に学園祭を開催することができました。昨年、一昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止措置により中止となりました。ようやく3年ぶりに学園祭でのステージ発表を行うことができました。人数制限下ではありましたが、お客様をお招きして、開催できたことをたいへんうれしく思います。

 小学校のステージは初日の午前中で、1年生の合唱、音楽クラブとダンスクラブの発表、4年生の劇が行われました。トップバッターの1年生は合唱で、ダンスを交えて披露しました。1曲目は「1年生になりました」をかわいらしい振り付けで歌いました。この歌は、聖ドミニコ学園小学校オリジナル曲で、本校の音楽教師でいらっしゃった鈴木敬子先生が昭和56年に作られた歌です。鈴木先生は、かつて学園長、各部校長を務められたメール・ベネディクタ武田教子先生の妹にあたる方です。今も毎年1年生が対面式でこの歌を披露しています。鈴木先生が、今もこの歌を通して1年生を、そして学園を温かく見守ってくださっているような気がします。

 そして「お化けなんてないさ」「クラリネット壊しちゃった」「パパのヴァイオリン」は、昭和世代の私にもおなじみの曲でした。表現豊かに歌う子どもたちの姿は本当に楽しそうでした。「フレールジャック」はフランス民謡です。美しいフランス語の輪唱で表現しました。発音も授業で先生にしっかり教わりました。日本では、「グーチョキパーで何作ろう」の歌と言った方が知られているでしょうか。最後に「マリア様の心」を、手話をしながら歌いました。1年生でもダンスや手話をしながら、しっかり歌うことができることに感心しました。

 次にダンスクラブと音楽クラブのコラボレーションでの発表でした。図工クラブが制作したランタンが舞台に美しく花を添えていました。1曲目の「輝く未来へ」では、美しい演奏に合わせて、ろうそくの光を使い、指先、足先まで意識された美しいダンスを見せてくれました。2曲目の「いのちの歌」は有志の6年生も加わり、少ない人数でしたが、しっかりした美しい歌声を披露してくれました。今まで経験したことのないコラボでしたので、思いがけないことが起こったそうです。ダンスクラブは通常CDなどの音源を聞きながら踊っていますので、いつも同じテンポで踊ることができます。しかし生演奏となると毎回テンポが違います。双方のクラブはたいへん苦労したと思います。そんな困難を一緒に乗り越えているからこそ、練習後には、いつも互いを讃え合うことができ、美しい友情が生まれたようです。

 そして4年生は劇「ガンバの冒険2022」を発表しました。4年生の劇は毎年、歌と踊りも取り入れています。歌は音楽の時間に、踊りはダンスの時間を使って仕上げます。今年もすてきな歌と踊りを見せてくれました。このガンバの冒険は、1975年にテレビアニメで放送され、小学校低学年の私は毎週欠かさずに見ていました。主人公のガンバは頑張り屋で負けず嫌いです。他のねずみたちも力持ちや足の速いもの、さいころで未来を占うもの、ダンスが得意なものとバラエティーに富んだキャラクターたちです。欠けているところも多いですが、互いに友情を育み、協力して多くの困難に立ち向っていきます。最後には恐ろしいノロイとイタチ軍団を倒します。これは勇気と仲間を信じる心を教えてくれます。

 学校行事は、日頃の成果を発表する場であり、目標に向けて制作や練習を頑張る機会です。練習を積み重ねること、見られることを意識して表現することを頑張ることで、自分なりの満足感や達成感を味わいます。そして人から評価されることの喜びや反省から、次の発表に向けての意欲が沸いてきます。この事は、やはり特別な行事の中でしか経験できません。ガンバたちと同じように、友だちとぶつかったり、あるいは協力してともに困難な状況を解決したり、様々な経験をしながら、子どもたちは大きく成長しています。大人は他の子どもと比べる必要はありません。そして結果だけを取り上げて評価するべきではありません。積み重ねてきた厚みこそが、子ども自身の成長です。その子らしく、その子なりに成長できたことを共に喜びましょう。

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