【聖堂朝礼】おにぎり献金を通して

 1118日は「おにぎり献金」の日でしたね。皆さんがおかずを我慢してその分のお金を献金してくれました。その大切なお金を世界で困っている方、苦しんでいる方たちのために使わせてもらいます。本当にありがとうございました。
 
 世界には、栄養のある食べ物を食べられていない子どもたちがたくさんいます。一方で、世界中の人が食べるための食料は十分に作られています。世界中で8億人もの人が毎日お腹をすかせて、苦しんでいます。世界の9人に1人がそれにあたります。「飢餓」とは、栄養が足りず、生活に必要な活動をするためのネルギーがない状態のことを言います。いま世界では3年連続で飢餓に苦しんでいる人たちが増加しているという深刻な問題を抱えています。
 アジアでは約5億人、アフリカは約25千万人、ラテンアメリカ・カリブ海地域 では約 5千万人の人たちが飢餓で苦しんでいます。この方たちの約75%は、開発途上国の農村部に住む貧しい農民です。飢餓の原因は自然災害・紛争・貧困の3つが考えられます。自然災害は、地震、津波、洪水、干ばつなどです。農作物や田畑が災害を受けるとまず食べ物がなくなり、仕事がなくなってしまいます。仕事がないのでお金も手に入りません。食料も不足して人々の栄養状態が悪くなります。紛争による飢餓も大きな問題です。最近ではアフガニスタンの紛争で避難民が多く出たのはニュースなどで見た人もいるでしょう。5億人の人が紛争のある地域で暮らしているのです。紛争が起きると、家や農地などすべてを捨てて避難しなければなりません。避難せずに残った人たちは、いつ攻撃があるか分からないので農作業や仕事をすることができません。そのため食料を作ることができず、飢餓状態になってしまいます。貧しいことで飢餓になる原因は、貧しい農民は農業を行うための土地、種などを買うお金が無いために自分で農作物を作ることができません。その子どもたちは大切な働き手として使われますから、学校に通うことができず、十分な教育を受けられません。勉強して知識を得ることは力を得ることです。勉強に無駄なことはありません。勉強すること、力をつけることで今の状態を良くしていくことができます。学校に行けない、教育を受けられないことが、いつまで貧しさや飢餓から抜け出すことができない状態をつくっています。ですから皆さんの献金は急な食料を支援する上で、また子どもたちが教科書や文房具が配られ教育を受ける上で、とても大切です。しかし献金だけでは根本的な解決になりません。紛争をなくし平和な世界にならなければなりません。そのためには人々が暴力や武力で物事を解決しようとするのではなく、聖ドミニコがなさったように相手を受け入れ、その上で自分の言いたいことを伝えること、正に「対話」が必要です。そして貧しい地域の子どもたちがきちんと教育を受け、自分たちの力で安全に生活できるようにわたしたちのような豊かな国の人たちが協力しなければなりません。
 11月の目標は「人類愛」です。これは世界中の人たちと仲良くすること、助け合うことです。おにぎり献金を通して、今、私にできることは何かを考える機会にしてください。

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