クリスマスに向けて

 11月28日(日)の「アドベントの集い」をご視聴いただき、本当にありがとうございます。この企画はコロナ禍で失われたかかわりやつながりを取り戻すために学園広報の教職員の方々が1学期から何度も話し合いを重ねながら進めてきたものです。そして後援会や同窓会の方々に企画や配信の相談にのっていただき、アドベントの集いが少しずつ形になっていきました。本番の放送に向けて何日も前からリハーサルを繰り返し、本番ギリギリまで打ち合わせ、ようやく皆さんに配信となりました。本当に関係者の皆様のご尽力に感謝いたします。
 映像では、教職員有志によるハンドベル隊や聖歌隊、中高管弦楽部、音楽部など、すばらしい歌と演奏を聞かせてくれました。幼稚園児と小学12年生はかわいらしい、すてきなオーナメントを作って参加してくれました。
 聖堂のろうそくにともされた火から子どもたち一人ひとりに分けられた火は、わたしたち自身の希望であり、他者を照らす光の象徴でした。共同祈願では幼稚園児と小学生、中高生、保護者、教職員がそれぞれの言葉で祈りを唱え、皆の心がひとつになることができました。クリスマスツリーに明かりがついた瞬間、その美しく温かい光は、暗い過去から明るい未来への移行を暗示しているようでした。わたしたちは正門のクリスマスツリーを台風により失いましたが、コロナ禍となり、もう一度わたしたちの心に灯をともすために戻って来てくれました。このアドベントの集いのスタッフ全員が、木枯らしが吹く寒い中、笑顔で作業しているのが印象的でした。それはきっとドミニコファミリーのために、この温かい光をなんとしても届けたいという気持ちからなのだと思います。今回の「アドベントの集い」の放送を通して、皆様の心に、祈りとつながりが温かな光とともに届いたでしょうか。これから4週間の待降節の間、わたしたちはクリスマスの深い意味を考えながら、神様の愛がみちあふれる喜びの日となりますようにと祈りましょう。

  さて、今年も、6年生は宗教の勉強の総まとめとして聖劇「救いを待つ人々」を発表するための練習を始めました。聖劇には救いの歴史に欠かせないたくさんの人物が登場します。その中で、当時、貧しく、社会の底辺で生き、かなり軽蔑され、差別を受けていた羊飼いたちが、救いの歴史の舞台で、大きな役割を果たしています。羊飼いは生き物を扱うという仕事上、宗教的な決まりや習慣に従えないため、辛い運命を背負わなければなりませんでした。しかし神様に選ばれ、だれよりも先に救い主の誕生の知らせを受け、直接にお会いするという恵みをいただいたのです。さらに、救い主が誕生したことを人々に知らせるという役割をも任されました。この神様の深い愛を示すエピソードは次のようです。

  その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の使いが羊飼いのそばに立ち、み使いは言った。『恐れることはない。わたしはすべての民に及ぶ大きな喜びのおとずれをあなたがたに告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。』・・・羊飼いたちは、急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝ている乳飲み子を捜し当てた。(ルカによる福音書第2章8~16)

 羊飼いたちは、自分たちが受けた恵みに感謝し、神様をほめたたえながら、自分たちが会ったみどりごについて、そして、自分たちに告げられたことを人々に知らせたのです。「羊飼いたちが語ったことを聞いた者は皆、不思議に思った」と書かれていますが、羊飼いたちが受けた恵みを、自分たちだけのものとはせず、それを人々に分け与えてくれたおかげで、周囲の人たちまでも、そしてわたしたちまでも大きな恵みをいただいたのです。
 クリスマスの日、わたしたちも羊飼いたちのように、神様の恵みに感謝し、その恵みを自分の幸せのためだけにではなく、人々の幸せのためにも分かち合えることができますようにと祈りましょう。

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