【聖堂朝礼】創立記念日

明日6月11日は創立記念日です。つまり聖ドミニコ学園のお誕生日です。今年で67歳になります。
さて67年前にこの聖ドミニコ学園をメールたちがいろいろな人たちの力を借り、大変な努力をして作りました。どうしてこの聖ドミニコ学園を作ろうと思ったのでしょうか。
聖ドミニコ学園の建学の精神、建学の精神とは学校を作った目的です。それは「真理を求め、自由に生きる」です。言葉や意味が少し難しいので、小学校では「よく生き、たくましく生き、愛し愛される人」を目標としています。さらに低学年は「基礎基本を身につける」、中学年は「自ら進んで行動する」、高学年は「自覚と責任を身につける」としています。そこには、この学園を作ったメールたちの思い、願いが込められています。
そのメールの中のお一人であるメール・ベネディクタにお話を伺いました。戦争中は敵だったアメリカの言葉の英語を使ってはいけなかったことが国から言い渡されていました。そのため当時の学生たちは英語の基礎をきちんと学べず、後から英語を勉強しようとしても難しかったそうです。メールは将来、日本はどうなっていくのかとても不安を感じていたそうです。だから学校を作ることになって、基礎基本のしっかりした土台があり、自分自身でしっかり行動していく人を育てようとお考えになったのでしょう。

人の成長は家を作ることに似ています。皆さん一人ひとりが自分という家を作っているのです。基礎となる土台や柱を、時間がかかるかもしれないけれど、しっかり作っていくことで、大雨や大風などの災害にあっても簡単に壊れない家ができます。先生や家族、友だちは皆さんの家を作ってあげることはできません。自分で作るのです。ただ、作り方を教えたり、見守ったり、時には作っている姿を見せたり、皆さんの家づくりをお手伝いすることはできます。
しっかりした家を作るには、はじめは時間をかけて、ていねいに土台や柱を作っていきます。こんどは自分たちでどんな家にするか考えていきます。壁の色、屋根の色、内装をどんなふうにしようかなど、自分で考えてそれを作っていくでしょう。失敗もするかもしれません。でもやり直せばいいのです。その経験をいかして最後にすてきな家が出来上がるでしょう。家が建てば町ができ、他の家、つまりお友達の家、その他の家との関係の中で自分が見えてきます。そして人は一人では生きていけないので、近所付き合いの中で自分の役割が生まれてきます。
基礎基本、しっかりした土台や柱は勉強や生活、運動、心の面すべてに通じています。土台や骨組みや心の芯がしっかりしていないと人は簡単に崩れていきます。反対にそれがしっかりしていれば、多少壊されても簡単に治すことができます。
メール・ベネディクタも、「人は皆違っているから、それぞれ自分の役割があるのです。自分の事だけを考えるのではなく、自分の関わる人が良いように自分ができることを行うことが大切です。」と仰いました。
自分の才能、能力、技術を自分のためだけでなく、他の誰かのために使うことのできる人になることが聖ドミニコ学園で学ぶ皆さんの目標です。そのためには、自分に何ができるか、自分の力をどう使うかを考えなければなりません。時代の流れの中で変わってきたこともたくさんあります。また建学の精神や目標など、変わっていない、変えてはいけないものもたくさんあります。そのようにして聖ドミニコ学園は67年続いてきました。皆さんも、この創立記念日に自分の家づくり、町づくりを考えてみてください。そして、みんなですてきな家、すてきな町を作っていきましょう。

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