【聖堂朝礼】七夕の願いごと その前に

 梅雨の季節になりました。雨がよく降りますね。傘をさして歩くのは大変だ、と思う人もいれば、長靴をはいて歩くのはいつもと違って楽しいな、と思う人もいます。みんな、それぞれですね。静かに降る雨はともかく、たたきつけるような雨が降るとびっくりしますね。川があふれませんように、無事におうちに帰れますように、と神様にお願いしたくなります。

 

 さて、あと何日かすると77日、七夕です。天の川を挟んで離れ離れの織姫さんと彦星さんが年に一度会える日ですね。二人は「会いたいなあ」と願って、一年に一度、その願いが叶います。皆さんも短冊に願いごとを書いて飾るのでしょうか。今年はどんな願いごとを書くのかな?

 七夕飾りのお祭りは中国から伝わったお話が、だんだんに日本の暮らしに合わせて変わっていたところがあるそうです。でも、願いごとを短冊に書く、というのは昔からあったようですね。自分のこと、家族のこと、友達のこと、世界のこと… 「願いごとを一つだけ」と言われたら、どんなことを短冊に書くでしょうか。聖堂に集まっていたら、「与える愛をください!」って歌っていたのですけれど。

 

 私たちはいつも、神さまにお祈りをして、いつもお願いごとばかりしているかもしれません。お願いをしなくても、神さまはすでに私たちに、たくさんのお恵みをくださっています。大波のように寄せてきて、大風のように吹きつけるほどに、たくさんのお恵みをくださっています。そのお恵みにふだん気づかないままに、あれもこれもとお願いをしている私たち。それでも神様は私たちを笑顔で見守ってくださいます。

 

 その神様に「ありがとう」の気持ちを伝えることを、私たちは忘れがちです。つい、お願いごとが先に頭に浮かんでしまい、今日までのことにお礼の気持ちを伝えるのが後回しになってしまうことがあります。でも、先に「ありがとう」「神さまと一緒で安心です」と伝えられたらいいですよね。イエスさまが教えてくださった「主の祈り」も、一番初めは「み名が聖とされますように」=「たたえられますように」「うんと大切にされますように」=です。そして、「日ごとの糧をお与えください」「私たちの罪をお許しください」という願いごとは後の方にあります。ですから最初に「神さま、あなたが大切です」とお祈りするのですね。

 

 そういえば、聖堂の入口に3つのラテン語が書かれています。

 LAUDARE BENEDICERE PRAEDICARE

 聖ドミニコが大切にした「賛美 祝福 説教」の順番です。聖ドミニコはどんなときにも、まず初めに神様を賛美しました。

 今は、みんなと一緒にお祈りをする木曜日の聖堂朝礼はできませんが、入口の扉の上にあった金色のラテン語の文字を思いだしてみてください。最初にLAUDARE ! 覚えておいてくださいね。

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