出会いの喜び

冷え込む日の多かった春休みを経て、入学式の日には校門の桜がほぼ満開となりそうです。新入生をお迎えするために新2年生が先月植えてくれた鉢植えのチューリップは続々と開花し、体育館の前を明るく飾っています。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして在校生の皆さん、ご進級おめでとうございます。新しい日々の始まりに、心を弾ませていることでしょう。新しいクラスでの新しい出会いを大切に、新しい一年を丁寧に始めましょう。

4月1日、関東地区のカトリック学校 (小中高51校)に奉職することとなった新任教職員の研修会が四谷で行われました。冷たい雨の降る中、100人を超える新しい先生方は定刻前に全員が講堂に揃い、子どもたちよりも一足先に新しい一年をスタートしました。

この数年、関東地区のお仕事を私はお手伝いしていますが、この新任研修会を包む凛とした空気に、私はいつも気持ちが引き締められます。この空気は、緊張している新しい先生方の使命感と責任感が醸し出すものです。新しい存在は、そこに「在る」だけで、周りを新しくしてくれます。

また、新任を迎える場に同席したベテランの先生方に目を向けると、いつにも増して若々しく見えます。新しい先生方との出会いの中で、それぞれが新しくされているのだと感じます。

新1年生を迎える上級生も同じく、新しい存在との出会いによって、これまでを振り返る機会を得て、新しくなれる自分を感じていることでしょう。

身の回りのことの多くを、人は努力によって変えたり、得たりすることがある程度はできます。しかし、出会いそのものは人の力では為し得ません。出会いの場を設ける努力が出来たとしても、広い世界の中から、自分の思いにぴったり叶う相手との出会いは、人智を超えた力に拠るものでしょう。

二千年前、人々は主イエスに出会いました。出会ったすべての人々を愛し、赦した主イエスの存在によって、人々は新しくされ、希望の光を見出しました。しかし、その同じ人々が「自分の思いにぴったり叶う」方ではないと考え始め、十字架にかけることを要求します。それでもなお、主イエスはその人々を愛し、赦しました。ご自分の命を差し出して、神さまと人々との出会いにつなげてくださいました。十字架上の死とご復活によって人々は神さまから愛されている自分に気づき、主イエスとの出会いに感謝しました。

新入学の喜びは新入生だけのものではなく、その存在によって新しくされたすべての人の喜びです。それは努力によってのみ得られるものではなく、神さまからの大きなプレゼントです。

心からの感謝の祈りのうちに、新年度を丁寧に始めましょう。今年のご復活の祝日は、4月16日です。

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