ムササビ見たよ!(ナイト高尾山)

 昨年12月に、本校で初めてとなる「ムササビ観察会」を実施しました。講師は中央大学附属中学校・高等学校の岡崎先生が担当して下さいました。観察会を1000回以上実施しているというムササビ観察のプロフェッショナルです。

夕方3時に高尾山口駅に集合しました。天候は曇り空で少し肌寒い日でしたが、実は観察会を実施した日は高尾山からダイヤモンド富士が見える日で、もし晴れていたら数百名のカメラマンが高尾山に集まる日だったそうです。曇り空でダイヤモンド富士が見られなかったのは少し残念でしたが、混雑に巻き込まれることなく観察会をスタートすることができました。

  まずはケーブルカーに乗って高尾山を登ります。とても空いていて、ほぼ貸し切り状態でした。わずか6分の移動でしたが、急な傾斜を登るので、窓の外の景色を眺めながら子どもたちは歓声を上げ大喜びでした。

 展望台に到着してから、観察会に参加するにあたってのルールを講師の先生から説明していただき、2号路を歩いて薬王院を目指します。移動中にも講師の先生からいろいろと楽しいお話を聞かせていただきつつ、途中で「たこ杉」を観察したり、ムササビが食べた「マツグミ」の枝を拾ったり、木の幹に空いているムササビの巣穴を見たりしました。高尾山はちょうど「温帯」と「暖帯」の境目にあるそうで、様々な種類の木が自生する天然林を見ることができます。高尾山の自然が豊かなのは、そのような理由があるからなのですね。

 

 観察地の薬王院に到着したのは16:20頃でした。日没が16:32なので、既に薄暗くなっています。ムササビは日没から30分後に活動を開始するという性質があるので、薬王院でしばらく待機することに。天狗の石像を横目に、レジャーシートを広げて持ってきたおにぎりやお菓子を食べたり、水筒のお茶を飲んだり、友達と一緒に楽しく過ごしました。

 

17:00を過ぎる頃、講師の先生が上の方を赤いライトで照らしてムササビを探し始めました。ムササビは白色光が苦手なので、赤いセロファンで覆ったライトを使います。講師の先生が薬王院にある建物の屋根に空いている穴を照らすと、「顔を出している!」という声が参加者から聞こえました。穴から顔を出し、外の様子をうかがっているムササビの登場です。

 観察者の多さに驚いたのか、少し時間はかかりましたが、そのムササビがパッ!と両足を広げて私たちの頭上を飛んでいきました。観察者からは「オ~!」、「ヤッタ!」という歓声が。

 

 ムササビが飛ぶ姿は「空飛ぶ座布団」と表現されることがありますが、まさに白い座布団が飛んでいるように見えました。ムササビの飛翔を見て満足し、それから下山することに。登る時はケーブルカーであっという間に到着しましたが、帰りはケーブルカーが動いていないので1号路を歩いて下山します。下山途中、どこかから「グルルルルッ」という鳴き声が聞こえてきました。ムササビの鳴き声です。講師の先生が「こっちの方から聞こえた」と言うので、皆で探してみることに。ムササビは猫くらいの大きさがあるので、木の上を移動する姿を見つけることもできます。赤い光で木を照らしたところ、子どもが「あそこにいた!」と、木の枝の上にいるムササビを見つけてくれました。しばらくそのムササビを観察していると、森の奥の方に向かって飛んでいきました。ラッキーなことに、今回の観察会では2回もムササビの飛翔を観察することができました。

 

 1号路は暗いので少し大変でしたが、約1時間かけて下山しました。山の麓まで来ると、タヌキが出迎えてくれました。改めて自然が豊かな場所なのだなと実感します。駅前に展示されているムササビの銅像を観察した後、最後の質問タイムの時間がありました。そこでは、講師の先生から「フクロウ笛」のやり方も教えていただきました。上手な子は「ホーホー」と、本当にフクロウが鳴いているような音を出すことができました。すべて終えて、駅で解散したのは夜7:30頃になりました。

 

 参加者は集合から解散まで様々な体験をすることができる夜の高尾山ツアーを楽しんでいました。「来年もまた参加したい!」と言っている子どもたちがたくさんいました。このような楽しい観察会を実施して下さった講師の先生に感謝しつつ、これからも「実感を伴った楽しい学び」の機会を提供できるよう、小学校としても様々な準備をしていきたいと思います。次の日の筋肉痛には悩まされることになったかもしれませんが、初めての「ムササビ観察会」は大成功でした。

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