みんな集まろう!

 子どもたちが帰った後の教員室。ついこの間まではエアコンで暑さをしのいでいましたが、今は窓を大きく開けるとさわやかな空気と虫の声が届くようになり、秋の訪れを感じています。10月は遠足があり、運動会があり、親睦の集いがあって、子どもたちにはお楽しみの連続です。

 先日は学園祭にお越しくださり、ありがとうございました。舞台も作品展示も、目標を持って丁寧に、そして懸命に準備した子どもたち。それぞれの場から「今」を、そして未来を大切にするメッセージが発信されました。

 何気ない一日の、その積み重ねの中で成長する子どもたち。毎日そばにいるとかえって気づきにくいものですが、大きな行事などの節目節目に、成長ぶりがくっきりと現れます。展示された作品は年齢を重ねるごとにきめ細やかな表現になっていき、舞台に上がれば歌や劇、ダンスでお客様に熱い思いを届けてくれました。

 また、届けるだけでなく、聞こえてくる思いを受け取るのも上手です。4年生の劇の劇中歌を見ているうちに覚えて、客席で歌い踊る子どもたちの様子からは、子どもたちの持つ見事な吸収力と、「今」の仲間を応援する優しさを感じました。

 さて、この秋はラグビーのワールドカップが日本の各地で開かれています。日本代表の大活躍をもちろん嬉しく思いますが、それだけでなく、海外の選手が全国各地の人々と試合のない日にも交流する様子が伝えられ、温かい気持ちに包まれます。そして海外のチームの試合では、その国歌など代表の歌を一緒に歌う日本の子どもたちや観客もいるとのこと、選手にとっては何よりの応援歌でありましょう。また海外の選手も日本の流儀で挨拶をしてくれるなど、お互いを尊重し合う様子が伝えられ、嬉しいかぎりです。

 このラグビーワールドカップでは、選手はそれぞれが日頃活動している国の代表として出場することができます。日本代表のメンバーも国籍はさまざまでありながら、日本でプレーしている「今」の仲間の代表として一つのチームを構成しています。国籍も年齢も経験も違う仲間が同じ目標を持って集まり、丁寧に、懸命に練習をして、ワールドカップに参加しています。さまざまな存在があることで力強く、豊かなチームになっています。

 すべてのものをつくられた神さまは、人をおつくりになるときに「ふさわしい助け手をつくろう」と仲間をおつくりになりました。そして、つくられたさまざまな存在が関わり合い、一人ひとりが豊かになることを望まれました。「自分の思い通り」という狭さから抜け出し、心を開いて、「みんな集まろう!」と呼びかけ合うことの豊かさを、子どもたちとともに、未来に向けて語っていきたいと思います。

一覧に戻る
PAGETOP