あの日の私を思い出す

 

 5月にして早くも夏日、真夏日が東京に限らず観測され、熱中症の心配をするほどの日々が続きました。

 先日は雨の中を、学園防災引取訓練にご参加くださりありがとうございました。また今年度は、後援会の主催によるスマホ安全教室が小学生の保護者を対象に同時開催されました。具体的な事例をいくつもお聞きし、充実した学びとなりました。地震対応だけでなく、安全に関して幅広く学べる一日となりました。

 雨模様だったこの日、小学生から高校生までが校舎から第一体育館に避難しました。入り口は一か所なのに、わずか11分で避難確認まで終えられたのも見事でしたが、避難中に小学校低学年の避難を優先してくれた中高生の落ち着いた判断にもまた感心しました。「守るべき誰か」を心に留めている上級生のやさしさは、学園の校風を形づくるものです。その後の非常食配布訓練でも高校生が活躍し、1年生も安心してお迎えを待つことができました。

 さて、5月のある月曜日、一人の卒業生がやってきました。礼儀正しく、事前に来訪を告げていた18歳の彼女は、懐かしい授業を参観したり、ともに奉仕活動をしたりして笑顔で半日を過ごし、小学生時代と同じようにスクールバスに乗って帰っていきました。

 話を聞いてみると、これからやりたいことがいくつも見つかって進路を絞り切れず、心が落ち着かないから小学校を訪ねてみようと思った、とのこと。心の中に不安がもたげてきたときに、自分を取り戻す故郷がここにある、と思ってくれていたのでした。

 迷った時には原点に戻る。「あの日の私」を思い出す。その卒業生の発想と行動を嬉しく思いましたし、訪ねてきた卒業生の存在を自然に受け容れている先生方や子どもたちのやわらかさにもまた心を打たれました。これもまた校風の一つと言えるでしょう。

 6月11日は創立記念日。はカレンダーの関係で今年は日曜日にあたり、卒業生が集まる「同窓生の集い」もこの日に行われます。中1、高1、大1の節目の学年の卒業生がクローズアップされますが、還暦を迎える方々のお祝いも行われます。それぞれに「あの日の私」を思い出し、ともに過ごした仲間の姿に安心を得て家路につきます。

 子どもたちにとって、一番安心できる場所は、何よりご家庭です。おうちの方の笑顔に包まれ、愛されている実感が自己肯定感につながります。同様に、友達に囲まれ、元気に過ごせる学校もまた、安心できる場所であるようにと願っています。

「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28章)

 主イエスの存在こそが安らぎの源です。

 心の安らげる場所、そこに平和が訪れる。創立記念日は、今の校風を育んだ学園の原点を思い出す大切な日です。

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