LAUDARE

今年の春は各地で早めに桜が開花したとのニュースを聞き、正門の桜は新入生を待ってくれるであろうかと気を揉んでおりましたが、花冷えの日々をはさんで、どうやら入学式には明るい桜色で迎えてくれそうです。

新入生の皆さん、また各地から転入された皆さん、ご入学おめでとうございます。ドミニコ家族の広がりを心から歓迎します。そして在校生の皆さん、ご進級おめでとうございます。新しい気持ちで下級生の良いモデルとなって、これからの1年を始めましょう。

春休みの学校では、大掛かりな清掃や補修作業が行われました。今年は特別に、中庭に聳える大きな欅の木が大胆に剪定されました。夏には大きな日陰を作ってくれる欅の木は、互いの枝が触れ合うほどに伸びていたので、専門家がリフトで持ち上げられて欅に乗り移り、地上15mの高さで電動のこぎりを用いて、伸びすぎた枝をすっきりと切り取ってくださいました。背丈ほどもある枝は特殊な機械で砕かれ、できたチップはトラック二台分にもなりました。それから数日で若芽が出始め、欅のいのちの力強さを感じます。

同じころ、2回目の卒業式が行われました。インフルエンザ感染のため、卒業式当日に登校禁止だった3名の卒業式です。神父様がいらっしゃらないのでミサはできませんでしたし、在校生の歌声もありませんでしたが、聖堂への入場からマリア様への花束奉献、聖書の朗読や共同祈願などがあり、卒業証書授与から退堂まで、当日と同じように行われました。休み中にもかかわらず数人の友達が参列してくれて、ご家族や多くの先生方の歌声に包まれた、心温まる式となりました。

後日、そのうちの1人がお礼状を送ってくれました。「私たちのために卒業式を行ってくださり、ありがとうございました」と認められた葉書から、卒業式の当日を6年生全員で迎えられなかった悔しさや寂しさを乗り越えて、2回目の式に感謝する、心の豊かさが感じられました。

思い通りにならないことはいくつもあります。そんな日々にあっても私は愛されている、と実感できる心の在り様が、愛することのできる自分へと昇華していく道につながるのでしょう。

神様はいつの世にも人を愛し、道を示してくださっています。3月の末に世界中で祝われた主イエスのご復活も、イエスという人を通して、その十字架上の死と復活という出来事を通して、ご自分が痛みを引き受けてでも愛するという、神様のいつくしみの表れです。

それほどに温かい神様を讃える気持ちを、私たちは忘れてはいけない。聖ドミニコの強い気持ちが、聖堂入口に書かれた三つの言葉の先頭に掲げられています。「LAUDARE」(賛美) は単なる飾りではなく、私たちの日々の行動を輝かせる、力強い指標なのです。

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